魔物と激闘?
まだまだ続きます。よろしくお願い致します!
「うっ、」
僕は、頭を押さえて起き上がった。
「お目覚めですか!」
ティーナが優しく微笑んでくれた。しかし、どこか寂しそうにも見えた。
少しづつ頭が晴れていき、僕は我に帰った。
「そうか、ティーナが助けてくれたのか、ありがとう!」
そう言うとティーナはまた笑った。もう寂しそうには感じなかった。
僕は、
「ここはどこなんだろう?」
と聞いた。
ティーナは、僕を救い出し、虫達の群れから抜け出すと、ここを見つけたと言う。
ここに降り立ったら、虫達は去っていったと話た。不思議な話だ!
「ともかく、安全圏か」
そういえばお腹が空いた。僕はどれだけ気絶していたのだろう?
「お腹が空いたね、食事にしよう」
火を使うと匂いで虫達が寄ってくるかもしれない。
アレのパンと水を取り出す。
ティーナの眼差しはパンにロックオン!僕とパンが同時に渓谷に落ちたら、ティーナはどちらに手を差し伸べるだろう、パンか!
二人で分け合ってパンを食べた。このパンは食べ切らないと次が出てこないのだ。めんどくさい設定である!
食べながら僕は話しをしだした。言わなきゃいけない事があるからだ、ティーナに救われたんだから!
「僕はこの世界に来る前、大きな地震にあったんだ。その時、家族を亡くした。そしてこの世界に来たんだ。けど、たまにどうでもよくなる時がある。さっきもそんな気分だったんだ…。だけど、ティーナに助けてもらった時、とても嬉しかった!だから、改めて言う。助けてくれてありがとう!」
そう言うと、ティーナは顔をくしゃくしゃにして泣き出した。
僕は今、この話をした事を猛烈に後悔している。何故ならティーナは今、号泣だ。パンをはむはむしながら号泣だ!パンを喉に詰まらせながら号泣だ!むせながら号泣だ!まず、僕は時を選ぶべきだったんだ!
僕はティーナの背中をさすっていた。
「ありがとうございます。本当は私も不安でした、リューイ様がどこかに行ってしまうのではないかと…。けどお気持ちを打ち明けてくれて私は嬉しいです!」
そう言うと、ティーナはとびっきりの笑顔を見せてくれた。パンは離さないけど!
僕はティーナと、とても打ち解けた気がした。アレのパンほどではないが!
食事を終えて、周囲の散策を始めた。周りは岩場だらけだった。間違っても、風の谷の女の子のように砂浜や水辺で助かる事は無かっただろう。本当にティーナに感謝だ!
渓谷の壁沿いに進む。急に岩場が平坦な地面に変わった。視線の先に扉らしきものが見える。近づくと壁に扉があり、その前に何か光るものが見えた。
それを見つけると、ナビさんが言った。
「人為的な魔方陣を発見しました」
確かに魔方陣(オタク知識)に見える。ナビさん曰く。それは魔物を生み出し、共食いさせ、より強力な魔物を生み出す、あってはならないものだと言った。
「蠱毒か、」
最初に見た印象は正しかった。蠱毒、遥かな昔にある国で生まれ、日本にも伝来されたと祖父に聞いた事がある。壺の中に様々な虫達を入れ、共食いさせ、残った一匹を呪術の道具にすると祖父は話ていた。
「どう使うんだ?」
ナビさんは答えた。共食いさせて生まれる負のエネルギーが、育てたい魔物の成長に使われるとの事。
「この魔方陣は壊していいか?」
ナビさん曰く、順序立てて壊さないと反動が来て、大変危険だと言った。僕は、ナビさんの指示に従って、魔方陣を無効化する。
「ふぅっ」
全てを終えて、溜息をつく。ティーナが汗を拭いてくれた。
「次はこの扉か!」
何かの金属でできた半楕円形の扉。中央に蝶番が二つ、押すか引くかすれば開くだろうと思い僕は試した。
「グギギ、くそっ!」
扉を押し引きしてみるが、少し動くのだが開かない。鍵でもあるかと探すが見つからない。もしや反対からしか開かないのか?そう思うとティーナが言った。
「私にやらせてもらっていいですか?」
そうだ、ティーナがいる。竜人族だし、魔法も使えるからなんとかなるかも!
「ティーナ、頼むよ!」
そう言うとティーナは扉の前に立った。膂力か、魔法か!そう僕は期待すると、ティーナは蝶番を手に持った。蝶番を軽く引き、ティーナは僕の概念をぶち破った!
なんと、扉を横にスライドさせたのだ!ド○フのコントか!現代日本でこの光景を何度も見てきた僕は、穴があったら入って自らを埋てしまいたいと思った!
「このような仕掛けもあると、おじいちゃんに聞いた事がありました」
ティーナは優しく言ってくれたが、僕は内心愕然としていた。日本出身のおじいさんはもちろん知っている。そしてティーナも知っていて、いとも簡単に開けたのだ。僕もお約束は知っていたのに!。僕は空を見上げた。今日も天気雨だ、渓谷の中なのに!
読んで頂きありがとうございます!




