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テテレッテテッテ! の土管の人?

よろしくお願い致します!




川沿いの道を馬車がきました。


遠目から見ても竜人族では無さそうです。 だって、この村に馬いないし!


肉焼きの作業は止めず、そちらを見ました。



村長のリプトンさんが馬車に向かって歩いて行きます。


馬車に乗る人物も、馬車を止めリプトンさんに向かいます。


二人は抱擁して何か話しています。


馬車の人物の後ろには僕と同い年くらいの男の子が立っていました。



「あれは誰だい?」


そう言うとティーナは肉を石板に乗せる手を止めて答えた。


「あれは行商人のマリオンさんと、息子さんのマスケスさんですね!

私達もあとで挨拶に行きましょう!」


とりあえずその場の肉を焼き切り、行商人の元に向かった。





僕達が近づくと村長が紹介してくれた。


「この方がリューイ殿だ、先ほども話した方だよ」



そう聞くと、マリオンさんは目を見開いた。


率直に言うと、Mのマークがある赤い帽子の配管工(マリ◯兄弟はそういう設定なんだよ! これだから昭和を知らない人は… 、 byリンネ!)そっくりな人が目の前にいるのでビックリした…。


帽子の色は違うしMのマークは無いけどね!



「リューイと申します。失礼ですがこの方は?」


ティーナに聞いてたけどね、礼儀でしょ!


「おぉ、申し遅れました。

私は行商人を営んでいるマリオンと申します。

これが息子のマスケスです」


そう言うと、後ろのヒョロっとした男の子は頭を下げた。




マリオンさんの息子にしては華奢だ、なんか雰囲気も暗いな…。


ただ、僕にあいさもせず、最初からマスケスの視線はティーナに向けられていた。


何か感じ悪いな…。





「リューイ殿、この方々は村に恩がある方です。祭りに参加させてもよろしいですかな?」


あっ、歓迎会でも、大食い大会でもなく、お祭りだったんだ!




心の扉の鍵を閉め直す…。


「マリオンさんとマスケスさんが構わないならぜひとも!」


マリオンさんは悪くない、にこやかに返す…。



「ありがとうございます。マリオン、マスケス、祭りを楽しもう!」


そう言うと、村長はマリオンさん達を連れて、千鳥足かつ、俊足で去って行った…。


少し(かなり?)酒が回っている気がしたが、あの速さなら…。


連れて行くのはいいけど、ちなみに料理作るのは僕ですからね!


「さあ、リューイ様も行きましょう!」


ティーナの目が光っていました…。




村長は二人を連れて行き、僕はティーナにドナドナされて行った…。


行き着く先には長い列が!


第二ラウンドの始まりです!




焼肉用の肉が無くなりました。


想定外?そんな事はありません。


ティーナの食欲×150人、分かっていましたとも!



小さい鍋にはタレが残っているので、そこに細切れ肉をぶち込んで焼肉です。


生姜モドキやニンニクモドキもあったので(これはラッキーでした)味変して酒のつまみにもなります。


モツ鍋は具材を足して煮込んで味を調えれば、前のダシが効いて深みが出ます。


大きな鍋は普通に具材を追加して味を調えればOK!


鍋ってそんなもんでしょ!





そう言う訳で無限ループから僕は解放されました。


さすがに村の人と触れ合う時間も必要です。


まずは村長の席に向かいます。


「どうですか?お口に合いましたか?」


分かっている事だが、一応尋ねてみる。


「はひ、ふふふひほほ、はひ、ほへほ、ほひひはっはへふ!」


は行で完結しました。


何となく意味が通じるのがムカつく!




「アッハッハッ!リプトンは昔から酒が弱いんですよ!

普通は飲まないのに、よほど機嫌が良いのでしょう!」


そうマリオンさんは答えた。


こちらは酒に強そうだ!



僕は村長と、マリオンさんにお酌をした。


村長は意味不明な呪文を唱えていた…。


マリオンさんは普通にお礼を言われた。


「村には何を届けたんですか?」


「行商の残り物だよ!」





マリオさんは教えてくれた。


竜人族の存在を知られたら、間違いなく蹂躙されるだろう。


だから気付かれてはいけないそうだ。



だから、わざと売れ残る品を作る!



塩は多めに、絹の布の中に、麻の布をわざと紛れさせる。


品質の悪いものは売れない…。


だから、塩も布も品質の悪いものは売れない!


残ったものを竜の村に運ぶのだ…。




「手間がかかりますが、確実ですね。その手間の見返りはあるのですか?」


僕が聞くと、マリオンさんは苦笑いして答えた。


「竜人族はキラキラしたものが大好きなんだよね、それが価値がある無いに関わらず!」




マリオンさんは話してくれた。


竜人族はキラキラしたものが大好きだ。


かと言って、それがどんな価値があるか知らない。



自分がそれを見て判断する。


宝石や貴金属の時もあれば、どうしようもないクズもある。


どんな時も荷物は全て置いていく、どうせ帰りには邪魔になるものだ。


トータルしたらプラスだからいいんじゃないか? と、ガハハと笑った。


いい人だ…。 ってか、竜人族はカラスか!




「今回は何が残っているんですか?」


そう聞くと、マリオンさんは首をひねりながら話した。


「う〜ん、今回は塩と麻の布だけかな?

あぁ、絹の布の売れ行きが悪くて、それも残っていたかな?」


質は悪いが絹があるらしい。


今回も全部置いていくとマリオンさんは話してくれた。


後で村長に交渉しよう!









◯ティーナの涙?



ティーナの姿が見えないと思っていたら、離れた場所でマリオンさんの息子のマスケスさんと話していた…。




なにやら様子がおかしい?


マスケスさんがティーナに言いよる。


ティーナは首を振っている。


マスケスさんがヒートアップしてきたので、僕はそちらに歩いて行った。




「前に村長には許可してもらった。どうしてダメなんだ、あの男のせいか!」


「私が決めたのです! あの方には関係ありません」


そんな声が聞こえた。


僕が近づくと、マスケスさんは僕を睨み、去って行った。




「ティーナ、大丈夫かい?」


「はい、大丈夫です…」


ティーナは少し寂しそうな顔していた。



「何があったんだい?」


「なんでもないんです…」


そう言うと、ディナーはマスケスが去った逆の方向に走って行った。


その先には料理の鍋達が佇んでいた…。



僕よりも料理に慰めてもらうのか…、と邪推する僕は、もう人として終わっていた…。




竜人族が全てを片付けて(料理含む)、祭り?は終わった。各自が家(穴?)に帰る。


ティーナも家に帰っただろう。


僕は川原の石の上に腰掛けた。


ティーナとマスケスの事、竜人族の事、これからの僕の事、色々考えた。



すると、誰かの足音が聞こえた。


「まだ、おやすみにならないのですか?」


ティーナだった。


「あぁ、色々考える事があってね」


そう言うと、ティーナは横に座った。




二人の間に静かな時間が過ぎる…。


しばらくして、ティーナは口を開いた。


「リューイ様、何もお力になれないかも知れませんが、私で良ければ何なりと申して下さい。

それが私の務めなのです!」


そう言うとティーナは微笑んで家に帰って行った…。




「務めか、村長に何か言われたか、それとも…、料理かっ!」


僕は盛大に勘違いしていた…。






マスケスは竜人族から貸し与えられた客室に戻っていた…。


「なんだ、なんなんだ!

親父の目を盗んで村長に認めさせて、ようやくあの娘を手篭めに出来そうだったのに!

次にこの村に来たときにはアイツを俺の物に出来ていたのに…。

こんなクソみたいな村に来てたのは、アイツを手篭めにして、残ったクソを全て金に換えて、親父みたいなバカらしい仕事なんて!

ティーナのヤツめ、必ず手に入れてやる!

それに、他のヤツらはクソだが金になる!

こうなったら…」


マスケスは自分勝手な思いに沈んでいく、それはマスケスにだけ都合の良いものに……。






翌朝、マリオンさん達は荷物を村人達に渡してくれた。


「前回の借りがあるからこんなものか」とボソボソ言っていたのが聞こえた。



マスケスさんと目が合うと、マスケスさんは僕を睨む。


先ほど村長に聞いた話が僕の脳裏をよぎった。





マスケスさんは、前回訪れた時にティーナが成人したら連れに欲しいと村長に頼んでいた。


竜人族は他人族の村や町には行けない…。





要は現地妻だ!


村長はティーナが望むならと許可を出したと言う。


竜人族は恋愛自由なので個人を尊重する。


あと、成人の儀をしないと想いを伝えてはいけない決まりがあるらしい。


しかしマスケスさんは村の人では無い為、祭りの時にティーナに詰め寄ったと言う話だ。


ティーナはそれを断ったと言う(多分、僕が聞いていた二人の会話だろう)。



だが、成人前の色恋の話はご法度!


もし約束を違えれば、竜人族の中では誰との付き合いも永遠に認められないらしい。


だから、ティーナは村長に相談した。



村長は、「おまえの好きな相手に気持ちを伝えたのでは無い、それは許されるだろう」と優しく諭したと言った。




荷物の引き渡しは終わり、マリオンさんは村長と僕に挨拶した。


「次に来るのは半年後かな、雪どけの頃には来るだろう。

その時はリューイさんの味噌料理をまた食べたいものですな!」


そう言って僕に握手をして、マリオンさんは馬車に向かった。



それに続くマスケスさんが小声で呟く。


「…、必ず後悔させてやる、この村も、あいつも、ティーナも…、必ず…、」


その声は風のなかにかき消されていった。



ただ、僕を睨むマスケスさんの澱んだ目が、何故か僕の胸の中に底知れない不安を残していった。




そして、マリオンさん達を乗せた馬車を僕らは見送った。



ありがとうございます。

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