表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

孤独

 ハイエルフのフィーリアは孤独だ。

 人族が1年で1才年を取ることを基準にすると、エルフ族は10年で1才年を取る。

 ハイエルフならば20年で1才年を取る。

 フィーリアが今3才ならば、彼女が生まれてから人族の世は60年経過している。つまり、同じ年の生まれなら60才。

 エルフ基準だと6才。エルフの里ですら、もう年が離れてしまっている。

 しかもエルフの場合、生まれてから20年位までの身体の成長は人族と変わりが無い。それ以降から肉体の劣化、老齢化が年相応にゆっくり進む。


 一方でハイエルフの場合、身体の成長は年相応にしか成長しないので、見た目の格差が酷い。

 人族20才の場合、エルフの見た目も20才、ハイエルフは見た目1才。

 人族60才の場合、エルフの見た目も20才、ハイエルフは見た目3才。

 友達なんか作りようが無い。自分だけが取り残されていく。


 フィーリアはいつものようにエルフの森の中で遊んでいた。但し、あまり人目のつかない場所で1人寂しく。

 手のひらを前に向けながら両手を頭の上につけて、両足を揃えて連続ジャンプ。

「ぴょん、ぴょん」

「ぴょん、ぴょん」


 一休みして直ぐにまた。


「ぴょん、ぴょん」

「ぴょん、ぴょん」


「「クスクス、クスクス」」


 誰かの笑い声が聞こえる。


「誰っ?!フィーのこと笑っているのは?意地悪しないで出て来て!!」


 キョロキョロ周りを見渡しても木々ばかりで人影も見当たらない。


「もう意地悪。知らない」


 怒って帰ろうとすると、足元の草叢から何かが飛び出して来た。


「えっ、狐?それも2匹」


 目の前には白色と金色の狐が4つ足で立っている。


「さっき笑ったの狐さん達?空耳かなっ?」


 フィーリアが小首を捻っていると、


「「ええっ、私達よ!!」」

「ふわーっ、狐さんが喋ったーーー!?」

「こんなことも出来るわ」

「私もね」


 一瞬光り輝いたと思ったら、自分より少し大きい白い髪と金髪の少女が2本足で立っていた。

 但し、人の耳より大分上にある獣耳が、後ろではふわふわの尻尾がゆらゆらと揺れていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ