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初めての魔法

不定期投稿です。

 フィーの名前は、フィーリア3才。今では数少ないハイエルフなんだって。

 7人家族で、お爺ちゃんのアルフレッド。お婆ちゃんのベアトリーゼ。お父さんのシュライク。お母さんのセレン。

 上にお兄ちゃんが2人いて大にいのアイオス。にいにのエイオス。

 今お母さんのお腹の中に赤ちゃんがいて、秋頃には生まれるって。何となくだけど女の子だといいな。

 それでね、お爺さんとフィーだけがハイエルフで、後のみんなはエルフなんだって。違いがよくわかんなーい。

 こないだお爺ちゃんに魔法を教えて貰ったよ。

 お爺ちゃんに抱っこして貰って里の外に行った。

 その時のことを話すね。


「さてフィーや、森の外のお友達と仲良くなる方法を教えるぞ。右手の肘を上に曲げ人差し指を立て、ゆっくりお友達に向かって指を差す。ほれっこうじゃ、テェェーーイム!!」


 すると、草原の少し離れた所に1匹で立っていた野良オーガが、一瞬ビクンとした後に硬直した。


「ほーれ、早くこっちへ来んか」


 お爺ちゃんが指先を曲げて、クイックイッとするとオーガが凄い勢いで走って来て、お爺ちゃんの足元に手をついて跪く。


「どうじゃ、フィー。これでお友達になったぞい。凄いじゃろ」

「えっ、何か可愛いく無ーい。もっとちっちゃくておめめがぱっちりしてて、もふもふしてるのがいいのー」


 ジジイはガックリであった。実はこのジジイ、魔法なぞ全く使っていない。

 指差しは単なるジェスチャーで眼力で威圧しただけである。

 孫娘の歓心を買った後にタネ明かしして、お爺ちゃん凄いと言わせたいだけである。

 それから魔法の基礎を教えるつもりだった。爺馬鹿である。


「ふんっ、お前はもう用無しじゃ。どこぞなり行けっ!!」


 お友達オーガは猛ダッシュで去っていった。


「テイムでお友達と仲良しになるには、余り素早いと魔法が掛かる前に逃げられるからの。このコボルドでどうじゃ」

「いいよ。じゃあ、お爺ちゃん捕まえてて」


 ジジイがコボルドをがっちりホールドする前で、フィーリアが徐に指を向けた。


「んしょ。テェェ―ム!」


 ジジイとコボルドの体にピリッ。


「あれっ、んー、もっかい。テェェ―ーム!!」


 ジジイとコボルドの体にピリッピリッ。


「テェム、テェム、テェーーム、やんもう。テエエェェェーーーーム!!!」


 ジジイとコボルドの体が青い光に包まれた。


「「あばばばばば・・・あばーーーーっ!!」」


 ジジイとコボルドの体がガックリ。


「お爺ちゃん出来たよねっ、ねっ。やったーーー!!!」


 フィーリアは、両手を挙げてその場でクルクル回る。


「流石はわしの孫じゃ、天才じゃな。可愛い過ぎて辛いわ。さあフィー、お友達は(麻痺が取れれば)ほっといても大丈夫じゃ。外はもう危ないしお家に帰ろうか?」


 こうして、コボルドはその場に放置。ジジイは孫娘の手を引いて森へ帰った。

 時折り体をビクンビクンさせたジジイの姿が奇妙だったが。


 尚、フィーリアが初めて覚えた魔法が雷魔法初級だったことをここに記す。断じてテイム出来た訳では無い。テイマー適正は無いのだ。

 お爺さんが威圧した時の辺りがピリピリした雰囲気を感じ取り、幼いながら自分に出来るイメージを込めて魔法を発動したら、雷魔法だったというオチ。

 思い込みって怖い。それを魔法で実現出来る娘はある意味天才です。

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