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第2話 第3ゼミ室攻防戦

第3ゼミ室に入る扉の前で私は深呼吸をする。

この部屋に踏み込む際は用心をしなくては…。

決して、レポート提出が遅刻したことに対する教授からのお叱りに備えているわけではない。

教授がゼミ室にいるということは、()()()もこの部屋の中にいる可能性が高いからだ。


「現在時刻は……15時12分36秒…っと」

レポートの提出期限は今日の正午まで。

つまり私は既に3時間も遅刻していることになる。

だが、問題はそこじゃない。


私は扉の隣に取り付けられた指紋センサーに手を触れた。

大学内のすべての部屋にこのような指紋センサーが取り付けられている。


指を触れるとコンピュータが大学のデータベースに接続し、学生や教員などアクセス権限を持つ人物であればデータベースに登録されている指紋と照合され、自動的にロックが解除される仕組みだ。

ゼミ室に教員がいる場合は付属のカメラ機能が作動し、センサーに触れた人物の顔が室内のモニターに映し出され、それを見て教員が自らロックの解除操作を行う。


数秒もかからないうちに扉のロックは解除された。

あとは自分の手でこの扉を開ければ室内に入室できる。

しかし、私とアイツにとって扉の解錠は一騎討ちの始まりの合図だ。


ゼミ室の扉をゆっくりと開く。

刹那、開き始めた扉の隙間から無数の小さな光弾が私をめがけて飛んできた。

私は開きかけた扉を盾に身を隠し、飛んでくる光弾を退ける。

標的を見失った無数の小さな光弾は通路の反対側の壁に衝突して細かく弾け飛んだ。


「相変わらず好戦的な助手さんね」

光弾が弾け飛ぶのを見届けた私は素早く室内に駆け込み、アイツを目掛けて直進する。

同時に、アイツが放ったと思われる何発かの光弾が正面から私を目掛けて飛んでくるので、それを華麗に避けてアイツの懐へと飛び込む。

そして…。


「痛っ!」

アイツのおでこに軽くデコピンを当てる。

教授の助手である金髪の彼女、北白河(きたしらかわ)ちゆりは悔しそうな表情をしながらも満足げな微笑みを浮かべた。

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