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片思い少女のうだうだ日記

作者: 卯侑

あらすじは読みましたか?文句は受け付けたくないので、よろしくお願いします。

私は決心した。よし、LINEを送り付けてやろうと。

相手から同じ部活の仲間で、ついでにクラスも同じだとしか思われていないのは知っている。駄菓子菓子、この機会を逃せば私は夏休み中に彼と接触することが叶わないのだ。始まりはこれまた友人からのラインだった。


『今年の夏祭りのご予定は?』なんて冗談交じりに聞いてきた親友がいた。

『空いてるよ』と私が返すなり、『(りく)空真(くうま)くんを夏祭りに誘いませんか』と敬語で返信が来た。


私は驚いた。

自分で誘えと。

とりあえず電話した。


「もしもし、美羽(みう)?あのLINEどういうことなの」


五秒もたたないうちに繋がった電話口で尋ねると、親友の美羽はあっけらかんと言った。


日向(ひなた)ちゃんも空真くんと夏祭りに行きたいでしょ?」


だって好きなんだから。私の恋心を知っている美羽にそれを言われてしまうと痛い。


「そりゃそうだけど、美羽だって陸くんを誘いたいだけでしょ。美羽が誘ってよ」


「えー、この前は私が誘ったんだから次は日向ちゃんの番だよ。個別に聞くのが嫌ならグループLINE使えばいいじゃない」


その返しに何も言えなくなった。確かに、美羽の言うことも一理ある。美羽の好きな陸くんと私の好きな空真くんは仲が良い。そして私たち4人もそれなりに仲が良い。駄菓子菓子、受験を控えた高校三年生のガードはかたく、四人全員が行くと言わなければ遊びに行くことはなかなかできないのだった。

つい数週間前にも遊びに行ったが、終了間際の展示会に行くことになったのが重たい彼らの腰をあげることになった理由だった。しかも前回も前々回も私は彼女に頼りっぱなしだった。美羽と陸くんの決めたことに残りのふたりが従う形になって今のだ。


「次は私が誘うべきか」


グループLINEという文明の利器のお陰で聞きやすいわけだし、ここで諦めたら女が廃る。意を決した私はLINEアプリを起動した。


『四人で一緒に夏祭りに行きませんか』


そう打ち込んだ画面を見つめること数分間、ひとつ既読がついた。誰だ、と身構えたその時画面に文章が浮かび上がる。


『私も賛成。みんなで一緒に行きたいな!』


美羽だった。すごく期待して損というか脱力してしまう。

そんな脱力中の私に何者かが背後から切りかかってきた。


『俺も空いてるから行ってもいいよ』


衝撃だった。想い人、空真くんからの返信である。


「うそだ」


ほんとだ。

思わず自問自答した。

降って湧いた幸運に、神に感謝を捧げたくなりその衝動そのままに寝っ転がっていたベットから起き上がる。

そして突っ伏した。


『流石に受験勉強したいからごめん、三人で行ってきて』


陸くんからの答えであった。


「三人で行けと?できるか、コノヤロウ!」


泣きたい。女子二人の中に男子一人なんて、空真くんのことだから嫌がるに決まっている。

万が一の可能性にかけて、空真くんへ『どうする?』と個別にメッセージを送ってみた。返信はすぐに来た。


『ちょっとね』


その一言で察しろというやつだ。とても泣きたい。


「やっぱりそうだよね。そういうと思ってた」


思わず口から出た言葉と同じ内容を画面上へ打ち込んで相手に送り付けた。既読がついたがどうかなんて知るもんか。

もし向こうが好意を持ってくれているなら、一緒に行こうと言ってくれるだろう、つまりそういう事だ。

恋の戦いに敗れた私はしょんぼりとしたまま布団に突っ伏した。


その約一週間後、私はまた騒ぎたくなった。

暫く動いていなかった部活動LINEが動き出したのだ。部員の修司(しゅうじ)くんが原因である。留学で大学が決まった彼は暇だったらしく『今年の祭りは行かないの?』『勉強するの?』『もうやめちゃえよー』『ごめん、うそ』などと何度もグループLINEにメッセージを送信してきたのだ。というか祭りは今日明日である。今更すぎるし、とてもうるさい。私はデスヨネーと書かれたスタンプを送り付けて無視した。

あの文字が浮かぶまでは。


『個人的には行くけどね』


空真くんだった。


『いま?』『明日。残念、会いたかったな』などと二人は仲の良いカップルのような話を繰り広げている。空真くん、誰と行くの?もしかして、女の子だったりして。気が気じゃなくなっている私。かと言ってきけるわけもなく。

もう、この恋は上手くいかないだろう。しょんぼりとした顔で私はスマートフォンの画面を閉じた。

夏祭りの花火は一緒に行く人がいなければただの騒音だよ!と、思った高校最後の夏だった。

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