#000 プロローグ。
文法など拙い点も多いですが、生温かい目で見守ってやってください。
――どうしてこうなった。
俺は近年まれに見るほどの驚くほどに澄んだ快晴の青空を見つめ、内心で叫んだ。
周りを見れば、景観の整った町並み。まるで地中海やシチリアのような熱帯の特徴ともいえるレンガ造りの家が立ち並び、さも中世風の古い都を体験できる。
街ゆく人々は、縫い目の粗そうな服を身にまとう。たまに綺麗な服を着た者も見かけるが、そのほとんどが血に濡れていた。
(あぁ……いいなぁ)
俺はそんな人々を、死んだ目で流し見る。
今、彼の目にはハイライトを失い、顔色といえば絶望の色に染まっていた。
覇気も元気も正気すら感じられないその様に、人々は気持ち悪がって目を合わせない。
それもそのはず、彼はずっと同じ姿勢のまま動かなくなっていたのだ。
(はぁ、もうやだこんなゲーム……)
覇気のない顔でため息をつきながら、内心で毒づく。
動けないことによる、周囲からの恥辱の視線と溜りに溜まった鬱憤は、やがて諦めとなり、いまやすべてを悟ったようにただ立ち尽くしていた。
(なんで、ログアウトできないんだろ……)
メニュー画面を開くには、また操作するためには、右手を実際に動かして操作をする必要がある。
しかし、俺の右手は動かない。
それどころか、左腕も、首も、足も、腰も、体も、指も、口も、声帯も――すべて。
まったくすべて、動かないのである。
ほんとうに、どうしてこうなったんだろうなと、現実逃避――もとい、こうなってしまった日にへと思考を巡らせる。
目の前には、こういったメッセージがでかでかと表示されていた。
『 システムエラー。
コンピューターの予期せぬエラーにより、Classic Fantasy Online.exeは動作を停止しました。
システムの回復を待ちます』
(……ほんと、どうしてこうなったんだろうな)
そして俺はため息を零そうとする。
しかし、口は動かず溜め息は吐き出せず、またそれが原因で鬱憤がたまり、彼は内心で大きなため息をついた。