お母さん、お幸せに。
こんにちは。久しぶりの投稿です。
今回はかなりのネガティブ小説です。
あらすじにもあったように、この小説は、自分の思考をもとに執筆したものでございます。(二次創作でしょうか?もしそうでしたらごめんなさい。)
『自分が産まれてこなかった方が、お母さんは幸せだったのかな?』
そう思った事が何度もありました。
なので、そんな思いを、登場人物に掛け合わせて書いて見ました。
恐らく、私が主人公の立場でしょう。
オリジナルのシーンがほとんどですが、自分で書いたのにすごく切ないと思いました。変ですね。
展開はスピード的ですが、貴方の広い心で宜しくお願い致します。
そして、ハッピーエンドや、明るい小説がお好きな方は、申し訳ありませんが、このページを閉じて回れ右して下さい。
僕は良太という14歳の男。そう、こんな事、自分では言いたくはないが、まだまだ子ども。
だから、僕には“お母さん”がいる。
でも、僕のお母さんは、ずっと不幸な人生を送ってきた。
なぜなら、僕がまだお母さんのお腹の中にいる時に、お父さんに暴力を振るわれたり、妊娠前に頑張って稼いで貯めていたお金も、全額勝手に使われたり、最後には、
『面倒くさい。』
そう言って、お父さんはお母さんを捨てて、逃げ去ったのだ。
僕がお母さんのお腹の中に宿ってから今まで、お母さんに容赦なく、沢山の不幸が襲いかかってきた。
僕が産まれてからは、女手ひとつで僕を一生懸命育ててくれたお母さん。
家事も仕事も、毎日休むことなく、せっせと頑張っていた。
息子である僕に出来る事といったら、洗濯物を洗ったり干したり、皿を洗ったり、風呂掃除をしたりする事ぐらいで、お母さんの頑張りに比べたら、そんなのは小さなものに過ぎなかった。
お母さんと僕がどんなに頑張っても、報われることはなかった。
厳しいこの世の中に、知らん顔をされた。
お母さんは、こんなどうしようもない僕だけのために、ずっと頑張ってくれた。
そんなお母さんを見ていると、胸が張り裂けそうだった。
可哀想だ。不幸だ。苦しんでる。苦労ばかりしてる。
このままじゃ、きっとお母さんは、一生不幸に取り憑かれる。
なんとかして、お母さんを幸せにしなきゃ。
そう思った僕は、ある日、誰も思いつかなかった考えを実行する事にした。
その考えというのは・・・『時間を戻す』ということだ。
お父さんと出会ってしまったから、お母さんに不幸が降りかかってきたんだ。
お父さんとさえ出会わなければ、お母さんが不幸になることはなかった。
辛い思いをする事はなかった、そう思った。
僕は、死んだ祖父が発明した『タイムマシーン』がある秘密の部屋に入った。
もちろん、お母さんには内緒で。
部屋に入り、早速タイムマシーンに乗った僕は、過去にタイムスリップした。
お母さんとお父さんが出会わなければ、僕はこの世に産まれてこなかった事になる。
ふふふ、そんな事、もうとっくに知ってる。
それでも、己の命にかいても、僕はお母さんに、笑って欲しいんだ。喜んで欲しいんだ。
行った日は、お母さんとお父さんが初めて出会った日。
過去に着いた僕は、何とか2人を会わせないようにする事に成功した。
やった、これでお母さんは不幸に襲われずに済むんだ。
僕の心は、いなくなってしまうという怖さより、そんな喜びでいっぱいだった。
やっとお母さんは、解放される。
喜びを味わえる。
ふと、下を見る。
僕の足のつま先からくるぶし辺りが透けていた。
知っていたよ、これじゃあ幸せなどつかめない事を。
分かっていたよ、これが僕の『運命』だということを。
僕は、この世に産まれてくるべきじゃなかったんだね。
僕は、こんなに一生懸命で素晴らしいお母さんに、会ってはいけなかったんだね。
僕は、誰かを幸せにするどころか、誰よりも大好きなお母さんに、苦労ばかりかけさせて、不幸にしてしまった。
人生って、こんな酷いものではないはずだ。
『幸せになりたい』
この地球で生きている者全てがそう望んでいるのだ。
お母さんも、地球で生きている者として、それを望んでいるだろう。
僕だって、望んでいた。
でも、それは、無理みたいだね・・・。
僕は、自分の手でお母さんを幸せにしたかったけど、そんな事、やっぱりできなかった。
不幸なお母さんを毎日見ているくらいなら、消えてしまった方がマシなような気がした。
守りたかったお母さんを、僕には守ることができなかった。
何もしてあげられなかった。
本当にごめんなさい・・・。
僕さえいなければ、また違ったのに・・・。
だけど、お母さんは不幸だったかもしれないけど、僕は、こんなにいい人と14年間一緒に過ごすことができて、本当に嬉しかったし、幸せだったよ。
心からの本音だ。
だから、別れるのは、正直すごく寂しい。
でも、これも、全てお母さんのためなんだ。
気づけば、下半身が消えて、腹あたりが透けていた。
そして僕は、若干震えたような涙声で言った。
「お母さん、どうか、幸せになって下さい。素敵な人と結婚して、僕とは違う子を産んで、いっぱい笑って、いっぱい喜んで、人生を楽しく送って下さい。
第一の人生では味わえなかった、喜びや、楽しさをめいいっぱい味わって下さい。
僕、たとえ消えてしまっても、なんの悔いもないし、お母さんが幸せになってくれたら、なにより嬉しいです。
僕が送ることができなかった人生を、お母さんが幸せに生きて下さい。
お母さんの記憶からいなくなってしまっても、僕はずっとずっとずっと、お母さんの事・・・・・・」
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「大好きだよ。今まで本当にありがとうございました。」
この声がお母さんに届くことはなかった。
どうでしたか?
私的にはとても切ない話でしたが、貴方からしたら、どんな話でしたか?
やっぱり、家族はとても大切です。最も味方になってくれる存在だと、私は思います。
タイムマシーンが出てきた時点で、全く現実味のないありえない話になってしまいましたが、でもやっぱり、何だか悲しいです。
ただ、この小説で言いたかった事は、
家族は、とても素晴らしい存在であるということ、そして、誰もが幸せになりたいと望んでいるということです。
これからも、様々な小説を書けるときに、少しずつ書いていきますので、これからもよろしくお願いします。
最後までこの小説を読んで頂き、ありがとうございました。
お母さん、気を悪くしないでね?
産まれてくることができて、私はとっても幸せだよ。
お母さん、こんな私のことをいつも大切にしてくれて、ありがとう。