第二話「BUKATSU!」
どーせ続かないって?
…否定できない
~放課後~
ごむこ「」バンッ
ピンのすけ「」ビクッ
はじき「もぐもぐ…」
ごむこが机をバンと叩いた。
正直怒ってるみたいで怖い。
そしてはじきは相変わらず菓子パンを頬張っている。
ごむこ「これは、チャンスよ!!!」ドーン
ピンのすけ「お、おう」
はじき「もぐもぐ…」
ごむこが張り切っている。
確かにチャンスだ。俺たちの部活が廃部にならずにすむ手段を得られたのだから。
俺たちの部活。
そういや、まだ紹介してなかった。
ピンのすけ「チャンスったって…文化祭で全校一位とか負け確じゃね」
はじき「うんうん」
ピンのすけ「去年みたいにどーせサッカー部がパフォーマンス勝ちなんだろ」
はじき「うんうん」
ピンのすけ「なんかアイディア無いのかはじき?」
はじき「ううん」
俺たちの部活は、この三人だけだ。
部長はごむこ。
部員はダメ男と菓子パン女だけ。
ごむこ「…私達だってパフォーマンスを見せれば盛り上がるわ!」
ピンのすけ「うーん…それもいいが、どうも『ふーん。で?』ってなりそうで仕方無いんだよな…」
はじき「うんうん」
ごむこ「で、でも、それはサッカー部も同じじゃない!」
はじき「うんうん」
ピンのすけ「いや、サッカー部のあれは…なんつーか人数も多いし、全身を使ってるから…クオリティがなんつーか…」
はじき「うんうん」
このタイミングで言うのもあれかもしれないが、俺たちの部活を紹介する。
俺たちの部活は、「消しピン部」だ。
今年俺たちが苑弼高校に入学するまで無かった部活だが、俺とごむこの熱意でこの部活を作った。
もちろんこんな嘘くさい部活に部員なんか他から来るわけもなく、むしろはじきが来たのが不思議なくらいだ。
普段は、普通に消しピンで遊んで活動している。
ごむこ「まあ…焦っても仕方無いわ。消しピンしましょ」
ピンのすけ「せやな」
はじき「うんうん」
各々筆箱から消しゴムをいくつか取り出した。
何の変哲も無いただの消しゴムに見えるかも知れないが、俺たちにとっては大切な相棒だ。
むふフレーゲの定理