用語集:第3章 武器屋編
<ターゲティング>
「誰」を商売の対象とするかを決めること。
たとえば「20代女性」や「団塊の世代」「マラソンが趣味の人」などである。
ここを明確に設定しないと、商品の仕様や品ぞろえがぶれてしまう。
さらに「誰」が明確であれば同じ商品を売るにしても、宣伝文句が変わってくる。
ホルガーの店は騎士団が商売の対象であったが、これを低ランク冒険者へ切り替えた。
しかし低ランク冒険者をターゲットにしている競合店は既に存在する。
そこで鍛造による高品質というポジショニングを取る。
<買いやすさの工夫>
購入へのハードルを下げると言い換えることもできる。
第1章でも取り上げたが、商品を欲しいと思ってもらえたら次に来るハードルは「買えるかどうか。金銭的に」である。
特に高額品の場合、ハードルが高くなる。
その金銭面の解決策としてローンやリボ払いなどが挙げられる。
ただしホルガーの武器屋は金融商品のない世界に存在する。
そこでギルド認定品という制度を実現するため、幸助は奔走した。
本章では触れなかったが、金銭面のハードルと同様に心理面のハードルもある。
たとえば、米5キロが2000円なら納得だが、買ったことの無い2000円のオリーブオイルは悩む人が多いはず。
そこで第2章で記載した下記のような思考が行なわれ、買うことを正当化するのである。
いつもより高品質なオリーブオイルを見つけた。
これを使えばいつもの料理が貴族の食卓のようになる。
欲しい。とても欲しい。
でも買えるかな。
毎月食材の予算は決まってる。
オリーブオイルはいつもの三倍の価格である。
ちょっと厳しいかも。
でも待てよ。
主人のお酒を一本減らせば買えるかも。
それでいいや。
買ってしまおう。
<冒険者ギルド認定>
公的機関に認定されることで箔がつく、信頼性が上がるなどの効果。
(箔をつける類似例)
・トクホ(特定保健用食品)商品
・皇室御用達
・全米が泣いた
・購入者の98%が満足と評価
などなど。
<市場調査>
自分が販売する商品について、競合や価格、販路、ニーズなどを調べること。
幸助は冒険者ギルドでのインタビュー、競合店視察、ランディ達へのインタビューを行った。
<視察>
同業者の店舗に陳列されている商品の種類や価格を調べることは立派な視察である。
しかし、それだけでは分からない接客などのソフト面がある。
可能であれば「一人の客」としてその店で購入体験することも大切である。