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35.45.独白

「あーあぁ……これはこれは……」


 サーベルが刺さったまま地面に転がり落ちたレンの元に白いロングコートを着た人物が立つ。


「忘れ物」


 そう言って彼はレンの左腕を放った。

 そして、レンを貫いているサーベルを抜いた後、そのサーベルを何処かへ消す。


「悪趣味だな」


 死骸の山を見て呟いた。


「……はぁ。お前のせいで、こんな面倒なことになってんだぞ。なぁ、おーい!」


 しかし、その声は闇に飲まれるだけ。


「くっそ……いるのは分かってんだぞ……」


 遠くから様子を窺うモンスター達。それに対し、彼が笑顔を見せると群れは足早に消えていった。


「おいおい、失礼だな。どんなしつけしてるんですか」


 引きつった笑みを浮かべて、周囲をぐるりと見回す。


「おかげでこっちにも支障が出てるんだ。お手柔らかに頼むぜ。あー、あと、早く次にいこう。俺も楽しくなってきたわ」


 男は親指と人差し指で輪を作り、その穴からスコープのようにしてレンのことを見た。


「ミイラ取りがミイラに、ね」

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