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そんな彼らの会話劇
「退屈だ~」
「お前はいつも退屈してるな。飽き性にも程がある。けど、確かに退屈だ」
「他に誰かいないのか?」
「今のところ、というか、今までのところ他には誰も見てないな。俺とお前だけ」
「何か面白いことしよう」
「……そうだな。例えば?」
「ゲーム」
「その内容を聞きたかったんだが……」
「やりなおしゲーム、ってのはどうだ」
「と、言うと?」
「俺達さ、もう大抵のことはやってきたわけだろ?」
「ああ」
「それを他の誰かにやらせるんだよ」
「……いや、だから他に誰も……ああ、そういうことね」
「そう、そういうこと」
「うーん、分かった。じゃあ寝るわ」
「え!? どういう流れ!?」
「ゲーム開始前に体力回復しておくんだよ。絶対疲れるから」
「それもそうだな。それじゃあ俺も寝るわ。五十兆年くらい」
「長い」
「仕方ない、十兆年で我慢するよ。おやすみ」
「……おやすみ」




