表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/82

キューブ

「色々とありがとうございました!」

「おう! また来てくれよな!」


 レン達はライラックに別れを告げ、いよいよ本格的に旅を開始する。


「んじゃ、武器も手に入れたことだし、しゅっぱーつ!」


 買ったばかりのナックルダスターを両の拳にはめ、浮足立った様子のレン。


「出発って、まだ目的地も決めてないじゃない」

「ん? そういやそうだな」

「あのー……」


 申し訳なさそうな声でクローディアが発案する。


「ナフィアとか……どうでしょうか?」

「ナフィア?」


 フェリシアは復唱して、その意図を問うた。


「はい。あの街は魔法が栄えていますよね? レンさんが元いた世界に戻るのに、何か有益な情報が得られるかもと思って……」

「うーん……そうね。じゃあ、そうしましょう。でも、ナフィアか……結構な距離あるわね。どのルートで行こうかしら」

「あ、それなんですけど……もしよかったらゴラモ峡谷を通って行きませんか? 欲しい素材があって……」

「ゴラモ峡谷かぁ……」


 苦慮しているフェリシアを見て、クローディアは慌てて言葉をかける。


「あ! 無理なら全然行かなくても構わないです! 本当に!」


 クローディアは周章狼狽して耳を赤く染め、視線をあちらこちらに向けながらじたばたしていた。

 レンは、クローディアの頭に手を置き、それを鎮める。


「どうどう。落ち着け、クローディア」

「ふしゅー……」


 フェリシアは白い歯を見せ、懐かしむような優しい笑顔を見せた。


「相変わらずね。あんたは人に気を遣い過ぎよ。これから長い間行動を共にするんだから、もっと気楽に行きましょう。……じゃあ、ゴラモ峡谷を通過してナフィアに向かうことにするわ。移動はもちろん徒歩。異論はないわね?」

「大丈夫です!」

「よく分からんのでお任せします。ただ、徒歩は……」

「よし、じゃあ出発よ」

「はい!」

「フェリシアさぁん……」


 不平不満を言いながら、ぶつくさとレンは二人のあとを追う。先頭を切って歩くフェリシアは、微かに口元を緩めていた。

 バカ、ツンデレ、合法ロリ。三人の旅が今、幕を開ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ