11:連絡来るかな?
その日の夜。
あたしは試験が無くなったのをいいことに、お部屋でだらけ切ってた。
ベッドに寝っ転がりながら、雑誌を読んでたんだけど。
全く内容が入って来ない。
そう。
アドレスと番号を交換した、ヒカル君から連絡が来るんじゃないか、って。
あたしからしてもいいんだけど……。
出しゃばりでウザいって、思われちゃうんじゃないか。
それがぐるぐるして、落ち着かない。
あたしは『恋愛初心者』だから、この先どうやってお付き合いすればいいのか。
そんな基本的なところが分かって無いのよね。
(もし、デートする、何てことになったら)
情けないけど、想像も出来ない。
(カズミに訊いてみようかなあ……)
意味も無く、ケータイを開けたり閉めたり。
そんなことをしていたら、ドアがノックされた。
「琴音。お風呂空いたよ」
大学生やってる、真帆お姉ちゃんが言った。
「うん、うん。入る」
いつ、ケータイが震えるか分からないけど。
お風呂に入って、気分転換しよう。
そう思ったんだけど。
かかって来た時に、いきなり留守電だったら。
って思っちゃって、ざっとシャワーするだけにした。
髪をタオルドライさせながら、部屋へ向かう。