10:告白されちゃったー!
そんな考えがぐるぐるしている。
「コトネー。一緒に飲もうよ」
カズミが声をかけてくれた。
「あれ? コトネちゃん、もう水なの?」
ヒカル君に続き、
「飲みが足りんぞ、コトネ」
「カズミもー。あたし、お酒強く無いって言ったじゃん」
「いいからさー。おいでー」
あたしは言われた通り、カズミの横に座った。
「コトネ! ご指名かかったよ!」
「うん。オレ、コトネちゃんみたいなのがタイプ」
ヒカル君がそう言ってくれた!
「え! ええ~!?」
「オレじゃ、ダメかな?」
ちょっと!
え? あたしのことがタイプ?
こんなにカッコいいヒカル君が!?
あり得ないよ~!
「え? その……」
「オレじゃイヤ?」
あたしは慌てて、
「そんなことないです! 初めてのことばかりで、びっくりしちゃって……」
「じゃあ、付き合ってくれる?」
――!!
初めて告られたー!
あたしは、緊張感MAXゲージ振り切っちゃって、
「その。その。お願いします」
『YES』しちゃった!
「やったじゃん! コトネ!」
「えーと、えーと」
「そんなところも好きだよ」
ヒカル君!
ホントにあたしでいいの?
何の取り柄も無い、このあたしで!?
――それから先の会話は、上気しちゃったアタマで考えられ無くなっちゃって。
とりあえず、アドレスと番号は交換したんだ。
こんなあたしが、彼氏持ち。
カズミはカズミで、ちゃんとショーイチ君と付き合うことになって。
大成功で(?)終わった合コン。
だけど。
アタマのどこかに、タイキ君のさり気ないやさしさがあって。
これじゃいけない。
分かってても考えちゃう、そんな自分がいた。
(でも、ヒカル君と、少しずつ進めばいいんだよね?)
どこか言い聞かせるような。そんなあたしがいたんだ。
きっと。大丈夫。
あたしはココロの中でうなずいた。