表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『スカートの中、秘密を隠して』  作者: 優貴(Yukky)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/155

第6話『友達に打ち明ける勇気』


新学期も中盤に差しかかり、颯は少しずつ学園生活に慣れてきたものの、心の中の不安は消えなかった。胸の膨らみや身体の変化、女装を楽しむ自分のこと――誰かに話したい気持ちはあるのに、誰にも言えない秘密だった。

ある昼休み、美月が颯に声をかける。

「颯くん、少し話せる?」

颯は少し驚きながらも頷く。二人は校庭の片隅にある桜の木の下に座った。春の風が柔らかく吹き、桜の花びらがふわりと舞い落ちる。

「実は……」

颯はしばらく言葉を詰まらせたが、勇気を振り絞った。

「最近、自分の身体が少しずつ変わってきて……胸が膨らんできてるんです。男子なのに、女の子みたいで……どうしたらいいのか、悩んでいます」

美月は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに柔らかく微笑む。

「そうだったんだ……教えてくれてありがとう、颯くん」

颯はほっと息をつく。秘密を誰かに話すだけでも、心が軽くなることを改めて感じた。

「……でも、女装も好きだし、どうしたらいいか分からなくて」

「わかるよ。自分のことって、誰かに話すのも勇気がいるもの」

美月の言葉は優しく、颯の心を落ち着かせる。

「でも、私、颯くんのことはそのまま受け入れたい。秘密も含めて大丈夫」

「え……本当に?」

「もちろん!それに、一緒に考えようよ」

颯の胸の奥に温かい感情が広がる。誰かに受け入れられるという安心感は、これまで抱えていた不安を一瞬で和らげた。

その日の放課後、二人は少し歩きながら話を続けた。

「下着のことも悩んでるんです……男子なのに、どうするべきか」

「そうだね……私なら、少しずつ試してみて、自分が安心できる方法を見つけるのがいいと思う」

颯は美月の言葉に勇気をもらい、少しずつ自分の気持ちを整理していく。秘密を隠すのではなく、信頼できる友達に少しずつ打ち明けていくことで、心が軽くなることを実感するのだ。

「美月さん……ありがとうございます。話せて、少し楽になりました」

「よかった!いつでも話してね、颯くん」

その夜、颯は自分の部屋で鏡を見つめながら思う。

「秘密を抱えたままでも、誰かに話す勇気を持てば、少しずつ楽になれるんだ……」

そして、翌日。教室に入る颯の胸には、新しい自信と、少しずつ前向きな気持ちが芽生えていた。美月が隣でにっこり笑っているだけで、颯の心は安定し、学園生活を楽しむ準備ができている。

颯のスカートの裾に隠された秘密は、まだ全ては知られていない。でも、信頼できる友達がいること――それが何よりも颯にとって大きな力となった。

「少しずつでも……自分らしく、前に進もう」

桜の花びらが舞う中、颯はそう心に誓った――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ