第65話『翔太・美咲・玲奈、三年の不良女・葉月から呼び出し』
文化祭やデートスクープで注目を浴びるようになった翔太、玲奈、美咲。
学校内でもすっかり目立つ存在になっていた。
だが、そんな中、三人の耳に少し怖い噂が届く。
「…三年の葉月、あいつが怒ってるらしい」
玲奈が小さくつぶやく。
美咲も眉をひそめる。
「翔太くん、最近スクープ続きだし…目立ちすぎてるのかも」
翔太は胸に手を当てながら、少し緊張する。
(…葉月って、確か不良系で有名だったよな…)
肩に力を入れつつ、三人で放課後に呼び出された場所へ向かうことにする。
放課後、校庭の隅にある古びた倉庫前。
木々の影に隠れるように、葉月が一人立っていた。
葉月は三年生で、長い黒髪に鋭い目つき。雰囲気からして、近寄りがたいオーラを放っている。
「おい、翔太、玲奈、美咲」
低い声で呼びかける葉月。
三人は少し足を止め、緊張した表情でうなずく。
「…なんの用?」翔太が勇気を振り絞って聞く。
葉月はにやりと笑う。
「お前らさ、最近目立ちすぎじゃね?」
「スクープとか、モデルとか…ちょっと調子乗ってるんじゃねーの?」
玲奈は胸に手を当て、少しうつむく。
「そ、そんなつもりじゃ…」
美咲も肩をすくめて答える。
「注目されちゃうのは仕方ないよ…私たちはただ、モデルとして頑張ってるだけ」
葉月は目を細め、二人を見つめる。
「ふーん…でもさ、目立つってことは嫉妬も集めるってことだぜ?」
「…お前らが可愛くて、人気だからって調子に乗るなよ」
翔太は少し勇気を振り絞る。
「僕たちは誰かを傷つけたり、嫌がらせをしたりしてるわけじゃないです」
「ただ、自分たちの活動を楽しんでるだけです」
葉月はしばらく二人を見つめた後、口元を緩める。
「…へぇ、意外と真面目に言うんだな」
「まあ…別に悪いことしてるわけじゃねーし」
そう言いながら、少し肩をすくめて去ろうとする。
玲奈は胸に手を当て、ホッと息をつく。
「…危なかった…」
美咲も笑いながら肩を軽く叩く。
「翔太くんも、ちゃんと毅然としてたし大丈夫だよ」
翔太は胸に手を添え、少し赤面しながらも微笑む。
(…怖かったけど、ちゃんと言えてよかった…)
葉月は振り返り、にやりと笑う。
「…まあ、今回だけは見逃してやる。目立つのもほどほどにな」
三人は胸をなで下ろし、倉庫前を後にする。
その帰り道、玲奈が小さくつぶやく。
「…でも、こういう経験も、モデルとして強くなるチャンスかも」
美咲も笑顔でうなずく。
「うん、怖いけど、成長につながるね」
翔太は胸に手を当て、少し照れながら微笑む。
「これからも、自然体で頑張ろう…僕たち、三人で」
不良女・葉月との緊張のやり取りは、三人に学校内での注目を受け止める覚悟と成長を教える出来事となった。




