第49話『翔太、モデルオーディションに挑戦!』
夏の終わりが近づくある日。
玲奈と美咲は、事務所の撮影スタジオで打ち合わせをしていた。
玲奈は水着写真集の編集作業、美咲は次の雑誌撮影のリハーサルに追われ、忙しい日々を送っていた。
その時、事務所のスタッフから連絡が入る。
「玲奈さん、美咲さん、実は今日オーディションがあるんです。翔太くんも来ることになっています」
玲奈の頭に「翔太?」と疑問が浮かぶ。
先日、玲奈の家に来て母にモデルへの興味を相談していた翔太だ。
「え…翔太くん、もうオーディションに挑戦するの?」
美咲も少し驚いた様子で言う。
「うん…でも、きっと玲奈がアドバイスしてくれると思って…」
玲奈は少し照れながら頷く。
(翔太くん…本当に真剣なんだ…)
その日の午後、事務所のオーディション会場。
会場には若手モデル志望者が集まり、緊張感が漂っている。
翔太は少し硬い表情で待っていた。
「大丈夫…自分らしく…」
小さくつぶやき、深呼吸をする。
玲奈と美咲は隣で励ます。
「翔太くん、肩の力を抜いて。自然に笑顔を作れば大丈夫」
「うん…ありがとう、玲奈さん」
オーディションは二部構成。まずはウォーキングとポージング、次にカメラ前での撮影。
最初のウォーキング。
翔太は少し緊張して足取りがぎこちなくなる。
審査員の目が厳しく、心臓が早鐘のように打つ。
「大丈夫、自然に歩くだけでいいよ」
玲奈が耳元でささやく。
翔太は深呼吸をして姿勢を正す。
歩幅を意識し、肩の力を抜く。
次第に緊張がほぐれ、歩き方が自然になっていく。
「いいよ、翔太くん!」
美咲も拍手を送り、励ます。
次はカメラ前での撮影。
スタッフから「自然な笑顔で、表情を豊かに」と指示が出る。
翔太は少し戸惑いながらも、玲奈の表情を思い浮かべる。
(あの時の玲奈の笑顔…僕も自然にできるかな…)
「リラックスして…思いっきり自分らしさを出して」
玲奈の声に背中を押され、翔太はカメラに向かって微笑む。
最初はぎこちない笑顔だったが、徐々に自然で爽やかな笑顔に変わっていく。
「その表情いい!自然だし、写真映えする!」
カメラマンの声が飛び、審査員も微笑む。
撮影が終わり、結果発表の時間。
翔太は緊張で手を握りしめ、心臓がドキドキする。
「翔太くん…大丈夫、あなたならできる」
玲奈がそっと手を握り、励ます。
美咲も「一緒に頑張ろう」と微笑む。
審査員の一人が呼びかける。
「今回のオーディション、全員の中で特に可能性があると判断したのは――」
翔太の耳が張り裂けそうなほど鼓動する。
「翔太…」
「はい…」
審査員の口から名前が呼ばれる。
「翔太くん、見事に合格です!玲奈さん、美咲さんと同じ事務所に所属となります」
会場に歓声が上がる。
翔太は思わず涙ぐみ、玲奈と美咲に抱きつく。
「ありがとうございます!やっと、夢に向かって一歩踏み出せました!」
玲奈も微笑む。
「翔太くん…よく頑張ったね」
美咲もにこやかに手を握る。
「これから一緒に頑張ろう!」
帰り道、事務所のスタッフと共に歩く三人。
翔太はまだ少し緊張気味だが、自信と希望に満ちていた。
「モデルの世界…本当に楽しいかも…」
「うん、これからたくさん学ぶこともあるけど、一緒に頑張ろうね」
玲奈の言葉に、翔太は大きく頷く。
美咲も笑顔で言う。
「私たち三人なら、きっと楽しい撮影や挑戦が待ってるよ!」
翔太はその言葉に背中を押され、未来への希望を胸に刻む。
(僕も、玲奈や美咲みたいに、自分らしく輝けるんだ…!)
その夜、家に帰った翔太は、両親に報告する。
「僕、事務所に合格しました!」
父も母も大喜びで、肩を叩く。
「よく頑張ったな!」
「これからたくさん挑戦して、自分の夢を叶えてね」
翔太は深く頷く。
(これが僕の新しい一歩…そして、玲奈たちと一緒に歩む道…!)
家族や友達の支えの中で、翔太はモデルとしての第一歩を踏み出した。
玲奈と美咲と共に、これからの挑戦の日々が始まるのだった。




