第37話『姉と弟と妹の初共演』
翌日。
玲奈の学校には、まだ伝説のモデル・玲緒菜の余韻が残っていた。
「昨日はすごかった…」
美咲がつぶやく。
「ほんと…見ただけで緊張するくらいオーラあったよ」
翔太も頷く。
そんな中、放課後の家庭科室。
玲奈は弟・玲音と一緒に、姉・玲緒菜のアドバイスを受けることになっていた。
「今日は三人でモデル練習するわよ」
玲緒菜は笑顔で言った。
玲奈は少し緊張しながらも、胸を張る。
玲音も小さく頷き、ピンクのフリルワンピース姿のままだ。
「玲奈、まずは歩き方を見せて」
玲緒菜の指示で、玲奈はステージさながらの歩き方を見せる。
「うん、その調子。手の動きも自然にね」
玲緒菜は厳しくも優しい目で見守る。
次に玲音。
「玲音くん、緊張してる?」
「ちょっと…でも頑張る」
小さな体でステージを歩く玲音。
玲緒菜は微笑む。
「うん、いいわ。表情がもっと自然になるともっと輝く」
そして――
玲緒菜自身もステージに立つ。
「さて、私も見本を見せましょう」
長身で抜群のスタイル。
歩くだけで空気が変わる。
玲奈も玲音も思わず目を見張った。
「姉さん…すごい…」
玲奈は小さく息をつく。
「玲音も、姉さんを見て勉強してね」
玲奈が小声で言うと、玲音はうなずく。
「はい…!」
その後、三人は交互にウォーキングとポージングの練習を重ねた。
玲奈は姉の動きを真似し、玲音は二人の動きを学びながら少しずつ自信をつけていく。
練習の最後。
玲緒菜は二人に言った。
「今日のポイントは、自分らしさを忘れないこと。モデルって、ただ見た目じゃないの。心で魅せるの」
玲奈と玲音は互いに頷いた。
「はい…」
教室には、三人の集中した空気と、家族の温かさが混ざっていた。
玲奈は心の中で思った。
(姉さんがいると…私たちももっと強くなれる)
(弟も…負けてられないな)
こうして、家族三人による初めての本格的なモデル練習が始まった。
笑いもあり、真剣な表情もあり――
これからの物語に向けて、新たなページが開かれた瞬間だった。




