第33話『玲央、高校中退の決意』
文化祭から数日後。
学校はいつもの日常に戻っていた。
玲奈は授業の合間、まだ文化祭の余韻に浸っていた。
(楽しかったな…)
その時、教室のドアが開いた。
「玲奈、ちょっといい?」
振り向くと――
玲央が立っていた。
長めの髪をまとめて、落ち着いた服装。
雰囲気はいつもより少し大人びて見えた。
玲奈は驚いた。
「お兄ちゃん…?」
玲央は少し深刻そうな顔をして、席に座った。
「今日、話があって来た」
玲奈は胸がざわつく。
「なに…?」
玲央はゆっくりと口を開いた。
「俺、モデル業に専念するために――」
「高校を中退することにした」
教室が一瞬静まり返る。
玲奈は思わず声を出す。
「え!?中退…?」
「高校2年生で…?」
玲央は頷く。
「そうだ」
「今は仕事も増えてきて、両立が難しい」
「玲奈には心配かけたくないし」
玲奈は少し目を潤ませる。
「そ、そんな…お兄ちゃん…」
玲央は優しく笑う。
「玲奈は心配しなくていい」
「これからも応援するし、モデルとして頑張るから」
「でも…」
「玲奈、学校生活はしっかり楽しめよ」
玲奈は少し泣きそうになりながら頷く。
「うん…お兄ちゃん…」
美咲も教室の隅で、そっと手を握る。
「玲奈、大丈夫だよ」
翔太も小さく頷く。
「俺も支えるから」
玲央は立ち上がる。
「じゃあ、俺は行く」
「玲奈、文化祭のときみたいに頑張れよ」
玲奈は小さく笑った。
「うん!」
その背中を見送りながら――
玲奈は心の中でつぶやいた。
(お兄ちゃんも、自分の道を進むんだ…)
(私も…負けてられない)
文化祭の思い出と共に、
玲奈の新しい日常がまた始まった。
高校2年生の玲央は、モデル業に専念するため、
学校を離れたが、その存在はいつも玲奈の心の支えだった。




