第27話『執事衣装の採寸』
文化祭まで、あと二日。
放課後の家庭科室では、男子たちの執事衣装作りが始まっていた。
机の上には黒い布や白いシャツの生地が広げられている。
家庭科部の部長が言った。
「よし!」
「まず採寸から!」
男子たちは少し緊張していた。
「採寸ってそんな本格的なの?」 「マジかよ…」
美咲は笑っている。
「ちゃんとした執事カフェにするんだから!」
家庭科部の女子がメジャーを持つ。
「次、翔太!」
翔太が前に出た。
「はいはい」
腕を広げて立つ。
メジャーで肩幅、胸囲、腕の長さを測る。
「翔太、肩広いね」 「モデル体型じゃん」
翔太は少し照れた。
「普通だろ」
その様子を玲奈が少し離れたところから見ていた。
すると翔太がふと玲奈を見る。
「玲奈」
「え?」
「お前も採寸されたんだろ」
玲奈は少し恥ずかしそうに頷く。
「う、うん…ドレスのサイズ直しで」
翔太は少し笑った。
「大変だな」
玲奈も小さく笑った。
その時。
家庭科部の女子が言う。
「はい次!」
「他の男子も並んで!」
男子たちは順番に測られていく。
美咲は設計図を見ながら言う。
「黒ベストに白シャツ」
「蝶ネクタイつけたら完璧!」
玲奈は目を輝かせた。
「かっこよさそう」
翔太が言う。
「玲奈のドレスのほうが目立つだろ」
「え?」
「女装コンテスト出るんだろ」
玲奈は少し緊張した。
「う、うん…」
翔太は腕を組んで言う。
「優勝しろよ」
玲奈は少し驚いた。
「そんな簡単じゃないよ」
翔太はニヤッと笑った。
「いや」
「多分いける」
玲奈の胸が少しドキッとした。
その時、家庭科部の部長が言う。
「よし!」
「採寸終わり!」
美咲が手を叩く。
「これで衣装作れるね!」
家庭科室はミシンの音でいっぱいになった。
カタカタカタ……
布が少しずつ執事衣装の形になっていく。
文化祭まで――
あと二日。
スイーツカフェも、
女装コンテストも、
いよいよ本番が近づいていた。




