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『スカートの中、秘密を隠して』  作者: 優貴(Yukky)


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第16話『文化祭準備スタート!』


 九月のある日。

 朝のホームルームで、担任の先生が教室に入ってくると、少し楽しそうな顔をして言った。

「よーし、みんな」

 黒板にチョークで大きく書く。

 文化祭

 その瞬間、教室が一気にざわめいた。

「やったー!」

「文化祭だ!」

「なにやる!?」

 机を叩いて盛り上がる男子たち。

 女子たちも興奮気味に話し始めている。

 玲奈もその空気に少しだけワクワクしていた。

(文化祭か……)

 前の学校では、あまり参加できなかったイベント。

 でも、この学校では少しずつ居場所ができてきた。

 先生が言う。

「クラスの出し物を決めるぞ」

「お化け屋敷!」

 男子がすぐに叫ぶ。

「カフェ!」

 女子の声も上がる。

「メイド喫茶!」

「映画!」

「ゲーム大会!」

 教室は一気にアイデアの嵐になる。

 

 玲奈はその様子を少し離れた席から見ていた。

 すると隣の美咲が笑う。

「玲奈、なにかやりたいのある?」

「えっ?」

「文化祭」

 玲奈は少し考える。

「……お菓子とか」

「スイーツ?」

「うん」

 玲奈は小さく頷く。

「作るの好きだから」

 

 そのとき。

 クラス委員の男子が前に立った。

「よし!一回案を書こう!」

 黒板にいくつかの案が書かれていく。

 ・お化け屋敷

 ・カフェ

 ・ゲームコーナー

 ・映画上映

 ・メイド喫茶

 ・スイーツショップ

 

 美咲が言う。

「玲奈、スイーツ書いてくる?」

「えっ、いいの?」

「もちろん」

 

 玲奈は少し緊張しながら黒板へ向かった。

 チョークを持つ。

 そして小さく書く。

 スイーツカフェ

 

 席に戻ると、美咲が言った。

「いいじゃん」

「でも……」

 玲奈は少し不安そう。

「採用されるかな」

 

 話し合いはしばらく続いた。

 そのあと、先生が言う。

「じゃあ投票するか」

 みんなが手を挙げていく。

 

「お化け屋敷!」

 かなりの人数が手を挙げた。

「メイド喫茶!」

 これも人気。

 

 そして――

「スイーツカフェ!」

 美咲が真っ先に手を挙げる。

「はーい!」

 由奈も挙げた。

「私も」

 他の女子たちも次々と手を挙げる。

 

 結果。

 一番多かったのは――

 スイーツカフェだった。

 

「決まり!」

 先生が笑う。

「今年はスイーツカフェだ!」

 教室が盛り上がる。

 

 そのとき、誰かが言った。

「制服どうする?」

「可愛いのがいい!」

「メイドっぽい?」

 

 美咲が玲奈を見る。

「玲奈」

「うん?」

「スイーツ担当でしょ」

「えっ!?」

 

 由奈も言う。

「玲奈、お菓子詳しそう」

「確かに」

 

 玲奈は少し慌てる。

「そんなことないよ」

「でも」

 美咲は笑う。

「好きなんでしょ?」

 

 玲奈は少し考えてから、頷いた。

「……うん」

 

 その日の放課後。

 クラスの数人が残って文化祭の作戦会議をしていた。

 机の上にはメモとスマホ。

「クッキー」

「ケーキ」

「パンケーキ」

 いろんな案が出る。

 

 玲奈も少しずつ意見を言えるようになっていた。

「マフィンとか……」

「いいね!」

「あと、ドリンク」

 

 そのとき男子の一人が言った。

「衣装どうする?」

 

 女子たちが一斉に盛り上がる。

「かわいいの!」

「メイド!」

「カフェ制服!」

 

 そして――

 誰かが言った。

「玲奈も着るよね?」

 

 玲奈は一瞬止まった。

「え?」

「だって女子側じゃん」

 

 教室が少し静かになる。

 でも、美咲がすぐに言う。

「当たり前」

 

 玲奈は少し驚いた。

「……いいの?」

 

 由奈が笑う。

「むしろ似合いそう」

 

 玲奈の胸の奥が少し温かくなる。

 

(このクラスで)

(文化祭をやるんだ)

 

 帰り道。

 夕焼けの空の下を歩きながら、美咲が言った。

「楽しみだね」

「うん」

 玲奈は小さく笑う。

「初めてかも」

「なにが?」

 

 玲奈は言った。

「文化祭、こんなに楽しみなの」

 

 風が吹く。

 スカートがふわっと揺れる。

 

 文化祭まで、あと一ヶ月。

 まだ知らない出来事が、たくさん待っている。

 

 そして――

 このあと、玲奈にとんでもない提案が飛び出すことになる。

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