目次 次へ 1/155 プロローグ 春の光が差し込む教室。 「……え?」 クラスの視線が一斉に転校生に向けられた。教室のドアから入ってきたのは、華奢な体格の少年。だが、その身にはピカピカの女子制服――スカートの丈は膝上で、白い靴下とローファー。 「朝比奈 颯です。よろしくお願いします」 柔らかい声が響く。女子も男子も、一瞬言葉を失った。 彼は恥ずかしそうに微笑みながらも、堂々と教室の中央に立つ。 その日から、颯の秘密に気づいた者たちの小さな物語が、少しずつ動き出す――。