【エピローグ 】
大会の特設ステージに転移した。
そこでは運営スタッフが、インタビューをしていた。
「REY 選手、銃以外での大会制覇は史上初です! この弓を選んだ理由は?」
「……静かなのが好きなんです。あと、夜だと弾道が見えないじゃないですか。マズルフラッシュもないし。昼間は戦わず、夜になるまではハイドするつもりでした。射程が短くて当てるのも難しいですけど、最後に敵を倒せばバトロワは勝ちでしょう? 連射もできず、隙も大きいですが、じっくり狙える状況が出来れば私の勝ちだと確信していました」
ステージ脇、遅れて表彰ステージに転移してきたシロガネが見えた。
REY は彼女にピースサインを送った。
(勝つのは楽しい。一方的に撃つのはもっと楽しい。そのための4時間ハイド? ――安いものだよね)
夜空のライトがエメラルドに染まり、弓を掲げる王者を照らす。バトルロワイヤルが終わり、私は新しく衣装とアクセサリーのデザイン権を手に入れることになった。
そこは姉が代わりに運営への要望を出すのだが、今回は私専用のアクセサリー付属の衣装が運営より送られた。
――森のエルフ装備。
長い耳、緑色のビキニみたいな胸当てとショートスカート、弓を背負えばファンタジーに登場するエルフに見えるそれ。
いずれ一般向けに課金アバターになるそれを、数か月間は私だけが使える。
伏せて射撃したら、後ろから下着が見えるのが気になるので、あまり着替える機会は無いかもしれない。