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本日3本投稿の予定です。
極罰場とは、野外施設的な物で、フェンスに囲まれた荒野の中に亡者達が放牧され、様々な苦しみを与えられてる場所。人間界で例えると、動物園とかサファリパーク的な感じの場所だ。まあ、居るのは悪人達だけど。
私達は獄卒用の通路を歩きながら、フェンスの網の向こうで繰り広げられる凄惨な光景を見学していくのだ。
『ギャアアアアアアッ!!』
『ギィヤアアアアアアッ!!』
『ガアアアアアアアアッ!!』
「うぅっ·········」
何度見ても慣れないなぁ。亡者への極刑。すなわち拷問。
今、私の目の前では悪罪人の亡者達が、獄卒達によって世にも恐ろしく酷い罰を与えられてる。
「ひ、ひいいいいっ?!や、やめっ、止めてくれええええ?!」
──グシャアアアッ──
「ギィヤアアアア!!!」
トゲトゲ付きの罰棍によって滅茶苦茶に打たれる罪人達。他にも、斧や鉈で細切れ肉にされてすりこぎで擂り潰される者も。
悪罪人は特別な肉体を与えられてるため、苦痛の感覚は生身と同じで、その上不死身。
例えミンチになろうと、その苦痛は死をもって終わりにはさせられない。そして、気が狂えば正気にもどされる。
と言うより獄卒の持つ杖で何度も再生させられる。
そう、痛めつけるために。
「ギャアアアアアアアアアアッッ!!!」
凄まじい絶叫だ。まさに地獄からの叫び。見習い補佐時代に何度か見学したりした事あるから初めてじゃないけど、未だにインパクトありすぎ残虐シーンだ。
「ひぃっ、ひいっ、ひいいっ、た、助けてくれぇ、も、もう反省したっ······頼むぅ······」
「黙ってろ」
涙でグシャグシャになって許しを乞う悪人を無慈悲になぶる獄卒。すごい冷静さだ。私にはあんなの無理だあ。
いくら悪人とは言え、見てると心が痛む。
「オーッホッホッホ!なんて刺激的で劇的なショーなのかしら~!ああっ、ここで紅茶飲みたいわねぇ!」
「アハハハッ!見て、あの馬鹿面!薄汚い姿!負け犬の無様な末路ね!」
「イヒヒヒッ!見てると楽しくなるね!いいぞー、もっとやれやれー!」
そんな私の横の三悪女の心は踊っていたが。
「あのー。お三方?一応、これは悲惨な刑罰を目の当たりにして反省を促す時間だからね?つまり、盛り上がってもらうのは困るというか、そうじゃないって言うか」
「あら、何を言ってるの麗羅。今までの指導で今日は一番まともで素敵よ?」
「同感。毎日こんなのだったらいくらでも受けるのにね」
「今日は積極的に指導受けるよ~」
「そ、そう」
うむむ。これは怒るべきか褒めるべきか。
でも、積極的なのは悪い事じゃないし、このまましばらく見学していこうかな。
次々と極罰エリアを回って、痛めつけられる亡者達を見ていく。
「さあ、立て。立って歩け」
「ひぎいいっ!足の裏に釘がっ、釘がっ!肩の上の重りで腕が······」
「チンタラするな」
──ビシィッ──
「ウギャアアアアアッッ!」
「ゴボッ、コボボッ!た、だずげっ!!たずげでっ!」
「この血の池の水を全部飲み干せたら助けてやる」
「む、無理ッ、無理だっ!ゴボッ、コボボッ!」
──ジュウウウウッ──
「ギャアアアアアアッ!熱いっ!熱いイィ!!許してくれええええ!!」
「次は腹を炙る。暴れるな」
「?!!!?ギャアアアアアアッ!!」
「も、もう許して、た、助けてぇ······助けてくれたら、貴方の言う事なんでも聞くからぁ······」
「獄卒に色気仕掛けは無意味だ」
──ビシィッ、バシィッ、グシャッ──
「アガアアアアアアッ!!」
──ゴリゴリ、ガリガリガリ──
「グガガガガガアッ?!アガガガァッ!」
「よし。次は右足の骨を擂り潰す」
「ゆ、ゆるじでくでえぇ······グガガガガガアッ?!」
「ヒイィ、ヒイィ、ひもじい、ひもじいっ、食い物、食い物をぉぉ」
「なら米粒一つやろう」
「ひもじいっ!く、くれっ、食い物っ!」
「触るな」
──ビシィッ──
「アンギャアアアア!!」
「う、うぅ~んん·······」
あ、どうしよ。目眩してきた。とてもじゃないけどこんな長時間見てられない。
「あら、麗羅。貴女、顔が青いわよ?」
「う、うん。ちょっとね······」
「何?貧血?」
「ち、違う。ただ、この光景がキツくて······」
「え~?こんな楽しいのに?」
「う、うっぷ。気持ち悪くなってきた」
うう、視界がぐにゃぐにゃしてきた。気持ち悪い。ちょっとこれ以上は無理だ。
「み、みんな。私は少しその辺のベンチで休んでるから、見学しててね」
「あらあら」
「はあ?どうしたのよ」
「なーにー、麗羅~。ギブアップ?」
私にはこの地獄絵図は精神的にキツい。
と言うか、なんでこやつらは平気なのよ。
近くの休憩用のベンチで横になる。
「う、うぅ~ん。うぅ、朝のベーコンが逆流してきそう」
「オホホ、だらしないわねえ」
「あんた本当に鬼?」
「クソザコだね」
ぐっ、腹立つけど言い返せない。確かに、亡者が罰せられてる姿に耐えられなくなるなんて獄卒として頼りなさすぎる。
「み、みんな。しばらく自由に見学してて。ただし、このエリアからは出ない事······」
「オホホ!久方の自由ねえ!」
「あっち行かない?あの針で出来た山とか気になるわ」
「あたし、あっちで吊り下げられてる罪人が気になる~」
ピチピチ悪女達は修学旅行の女学生のごとく、きゃっきゃと歩いて行った。
お疲れ様です。次話に続きます。




