プロローグ
前書きを書き忘れていたので、今さらながら追加。
ファンタジーなのかSFなのか、はたまた文芸なのか自分でもよく分からなくて困った作品です。
ライスバーガー感覚でお楽しみください。
この世には──
悪役令嬢なるものが存在する。
悪女と言った方が早い。それが令嬢と言う身分になっただけだ。
意地悪で、サディスティックで、嫉妬深く、陰湿で悪質で、自分の欲望に眩んで生きる。
己の目的の為にはどんな手段も問わず、多くの人間を傷つけ、苦しめ、不幸にしても全く良心の痛まない恐ろしい存在だ。
だけど可哀想な女性達だ。
とは言え、因果応報という言葉があるように、彼女らの悪事はいつか必ず裁かれる。
『平穏、平和の仇敵たる悪女め!今こそ貴様に正義の鉄槌だ!断罪してやろう!』
まあ、口上はともかくとして、こんな感じで悪役令嬢らはその短い人生に終止符を打つ事となる。
断頭台でバッサリ殺られたり、磔でブッスリ殺られたり、縄で首吊りにされたり、火炙りの刑で炎に愛撫されたり、はたまた流刑地で冷たい檻の中で病死したり。
かなり悲惨だ。
だけど、そこで全てが終わりになる訳じゃない。
死んでからも罪の清算はあるのだ。
善い行いをして死ねば天国に。
悪い行いをして死ねば地獄に。
さて。
悪役令嬢は地獄に落ちる。当たり前だ。
だけど、裁かれて死んだ罪人には多少の恩赦が与えられる。つまり、『ちゃんと生前に罰を受けたんだから少しは情けをかけてあげよーよ』という事だ。
報いを受けて死んだ悪人は、地獄に落とされても、苦しめられたりする事なく、次の転生のために魂を清らかにする更正指導を受けるのだ。
そんな死後の話なんて作り話だと思いますか?
いえいえ。これが本当なんです。
現に今──
「はい。であるからにして、貴女達は恵まれているのです。今までの罪深き行いを悔い改め、善人に生まれ変わるのです。そうすれば、来世はきっと良い人生になって本当の幸福が──」
「オーッホッホッホ!なんておめでたい頭をしてるのかしら~!!」
「チッ!これだから庶民は嫌いなのよ!」
「うふふ、ば~か~」
「············」
今、私の目の前に悪役令嬢達が居るのだ。
※後書きを書く欄が消滅したと勝手に勘違いしておりました。追加で記載します。
お疲れ様でした。次話に続きます。