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死なずの君に送る歌  作者: 琴乃葉楓
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精鋭連隊 Ⅱ

「─以上、報告終わります!」

半年前とは見違える様相で、早乙女中尉がそう話を締めくくる。

場所は、正式に連隊長室となった最初に連隊所属の士官達と会合した場所であり、現在は政務室としても使っている部屋だ。

それにしても、最初会った時に比べれば随分と成長したものだ。

そもそも、初めて会ったときには軍服すらも着ていなかったが、今では叩き上げの士官もかくやという風に着こなしている。

思わず、

「よくもまあ、この半年でここまで成長したもんだ…」

そう言葉を零す。


「は…?」

唐突に発せられたその言葉に、早乙女も思わず漏らすように弱々しくそんなことを言う。

私の後ろに立っている藤崎も、どこか驚いたような表情だ。

「いやなに。軍隊のぐの字も知らんかった貴様らが、よくもまあそこまで育ったなと思っただけだ」

思わず、口をついて考えていた言葉が出てしまったな。

まあ、もうそろそろいいだろ。

「副連隊長、連隊長補佐」

「「はっ!」」

この半年、直接的に連隊長を補佐する立場だった二人。

初期は協調性の欠片もなかったが、今では顔を見ずとも息のあった返事をできるくらいには成長したらしい。


「急だが、そろそろ第一特務連隊の教育期間を終了しようと思う」

教育期間というのは、一般的に入隊したばかりの新兵を教育するための特別な期間であり、教育中は平時に比べて様々な面で厳しく行動を見られる。

子供たちも、基礎的な面ができていなかったため、新兵と同様に教育期間というのを導入していたのだ。

だが、軍隊としての規律と、作戦遂行能力を身に付けた今、無理に厳しい訓練を継続する必要はない。

それに、締め上げすぎても息が詰まるばかりで、士気の低下や、個々の特性を潰すなんて自体になりかねない。

丁度、半年と切りが良いのだ。

ここらで、教育期間から通常訓練にシフトさせてしまおう。


そんな私の言葉を聞き、藤崎も首を縦に振る。

「小官も同意見です。最近では、子供間での欠礼も減少していますし、行軍訓練、射撃訓練、基礎訓練も全官基準値を満たしております。時期的にも丁度良いかと」

藤崎も、自分と考えは同じらしい。

それに対し、早乙女はあまり乗り気ではないような表情だ。

…いや、この顔はあまりピンときていないだけか。

「教育期間を終えるというのは一般訓練過程に移行するということだ」

「一般訓練過程…ですか?」

「ああ。主に行われるのは()()と早朝行進の廃止。追加点は現在行っている初級訓練過程から、個々の分隊の持つ技能を向上させるための上級訓練過程の導入だ」

台風というのは、隊員が座学や訓練で部屋を空けている間に、不備を見つけ、見つけられた箇所を荒らす行為のことだ。

「え!台風は一生続くんじゃないんですか!?…あ、申し訳ありません…」

驚いたような声を早乙女が上げる。

そりゃそんな反応にもなるだろうな。

任官式が行われてから、毎日台風にさらされていれば。

「なに、構わん。まあ部屋の荒れ具合によっては一生続くからなあ。あながち貴官の考えは間違いじゃないさ」

「…は」

少し、残念そうに早乙女が言った。

そう言えば、こいつは毎日シーツが空中を舞っていたな。藤崎大尉の手で。

お久しぶりです!琴乃葉です!

前回は無断でお休みしてしまいすいませんm(_ _)m

学校のテストがあり、忙しさで投稿をすっかり忘れてしまいました…。

ですが、次回の投稿から定期投稿に戻しますのでまたどうぞよろしくお願いします!

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