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死なずの君に送る歌  作者: 琴乃葉楓
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第一特務連隊 Ⅱ

「…まあ、予想はしていたが年齢順で来たか」

比較的綺麗な部屋を一時的に連隊長室として使うことにし、分隊長達を集めたのだが…どうやら嫌な予感は的中したらしい。

今、自分の目の前に横一列並ぶ子供たちは、恐らくあそこにいた中でも年功者なのだろう。

中学生位の男女が一人ずつに、高校生位の男子が一人、女子が二人の経五人だ。

「「「「「は…はい!陸軍大佐様!」」」」」

戸惑い混じりに、五人全員がそう答える。

成程、なにも知らない子供というのは軍人のことを様付けで呼ぶのか…。

「大佐様はやめてくれ。上官を呼ぶときは、基本的に階級の後に様ではなく殿をつけるように。部下の場合は階級だけ。わかったな?」

「「「「「は、はい!陸軍大佐殿」」」」」

この五人は、もしかしたらそれなりに教育を受けてきたのかもしれない。

上官の呼び方を知らなかったのは、まあ一般人と同じ扱いを受けてきたのなら当然のことだろう。

そしてそれを差し引いても、この五人は返事もしっかりしているし飲み込みも早い。

それに何より団結力がある。

もしかしたら、ここの子供達をまとめてきたのもこの子達なのかもしれない。

「陸軍もいらん。大佐殿だけでいい」

「「「「「はい!大佐殿!」」」」」

本当に団結力あるなー…。


「まず初めに、お前たちの名前を聞いてもいいか」

なんだかんだ、呼び方を指導していたら肝心なことを忘れてしまっていた。

階級もないから名前を知っておかないと不便だしな。

「………」

先程までの返事が、まるで嘘かのようにしーんと静まりかえってしまった。

さて、どうしたものか…、そう思ったときだった。

「さ、早乙女梨花!十七歳です!」

五人の中で中心に並んでいた少女が、唐突に声を上げた。

私自身も、唐突に出されたその大声に驚いたが、早乙女と名乗る少女の両隣に立つ、同じくらいの背の男女も驚いた顔をして固まってしまっている。

「そ、そうか、よろしくな」

まあ、急な大声に驚きはしたが、素直に名乗ってくれたことは嬉しかった。

そして、その少女に呼応するように、面食らっていた男女二人も声を上げる。

「き、北野舞香十六歳です!」

「じ、錠前文哉同じく十六歳です!」

見てわかる程に肩を強張らせながら放った、二人の子供の声が部屋に響く。


…というか、あまりにも怯え過ぎじゃないか?

確かに、子供から見たら得体のしれない大人なんてものは恐怖の対象かもしれないが、流石にこの五人の反応は異常なように感じる。

何か、この子達をそう思わせる理由があるのだろうか?

そんなことを考えながら、まだ名乗っていない中学生くらいの二人のことを交互に見る。

あ、ヤベ。

その直後、怯えきった瞳で僕のことを捉えながら、涙声でまるで絶叫のような二人の声が響く。

「ざ…ざいじょうあやがじゅうよんざいでず…!」

「ざいじょうがやとじゅうよんざいでず!」

あまりに涙声で喋るものだから、二人が何と言っているか理解できなかった。

というかなんで泣いてるんだ!?

すると、焦ったような表情で最初に名乗った少女…早乙女が早口で言う。

「大佐殿!二人は双子で、先に名乗ったほうが西条彩花、後に名乗った方が西条茅都と申します!二人とも根は本当に真面目な子で、今私達の隊が崩壊していないのも二人の支えがあるからなんです!!ですからどうか二人に罰を与えるのはどうか、どうかご容赦ください!」

両隣の二人も「お願いします!!」っと頭を下げてくる。

……うん?どういうことだ?

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