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死なずの君に送る歌  作者: 琴乃葉楓
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帝都内一斉決起 Ⅱ

「なんか、外騒がしいね〜」

私の太ももの上で、未だ()()()()()をする夫に向かって何の気無しに呟いてみる。

だけど、未だ周囲を固める憲兵たちを気にしてか、それとも他に理由があるのか、返事を返す気はないらしく黙りコケたままだ。

こういう暇な時間苦手なんだけどな〜。

そんな風に心の中でゴチって見るが、必然というべきか当然というべきか誰からも返事が返ってくることはない。


今から二時間ほど前、夜叉人たちをこの居酒屋から連れ去った少女が右肩から垂らしていた飾緒の色と今だ帰ってこないところを見るに、恐らく皇室の関係者だったんだろうな、多分。

ていうか、この国で藤色の飾緒を吊るすことが認められているのは宮城を守る近衛部隊くらいだから、礼装の種類的にも近衛部隊の隊長かもしくはそれに準ずる高官がきたと考えるのが普通か。

その上、あの少女は「お上の御定」と口にしていたし…。

っていうので考えると、いま夜叉人と黒条がいるのは宮城で会談しているのは陛下…というのが私の予想だ。

全く、皆ばかりの楽しそうなことをしててズルい、と思ってしまう。

まあどうせ、夜叉人のことだし楽しいなんて露ほども思っていないんだろうな。

「どうせ、途中から俺たちも参加することになるだろ」

先程まで、頑なに口を閉ざしていた夫の声だ。

なんだ、てっきり話せない理由でもあるのかと思っていたが、本当に寝ていたらしい。

猫のように欠伸をしながら、周りの奇異な目を気にすることもなく、堂々と伸びをしている。


「なに?別に理由もないのに今まで私の話無視してたの?」

冗談半分で、起き上がったばかりのその男に疑問を投げかけてみる。

「別に理由がなかったわけじゃない。あそこで【鎮静】をかけられてやらなかったら、夜叉人を黒条ともども斬らなきゃいけなかったんだ。不意打ちを掛けられ、逃げられたとなれば俺の不注意でなんとでもなる。…まあ、あの少佐が来たということは俺の機転は無駄になったみたいだがな」

机に置かれたお茶に手を伸ばしながら、赤間宮が言う。

「あの少佐っていうのは礼装を着た人のこと?」

「ああ、どうやら夜叉人の元副官らしいぞ。今は近衛騎兵連隊の連隊長をしているらしいが」

成程、だからあの子が来たとき黒条が少し殺気立ってたのか。

…うん?というか、少佐が来たことがわかってるってことは、ずっと意識があったってことだよね?

それに、少佐と面識があって近衛部隊の指揮官をしてるって知ってたなら、私よりずっと前に夜叉人が会う相手が陛下だってわかってたよね完全に。

なら、本当に寝てた理由は?

まあ、私はできるお嫁さんなのでそんなこと言わないけど…これは、夜叉人だけじゃなくて赤間宮にも、罰が必要かなー?

…まあ、それは後でにして、ふふふふふそうか、あの黒条がまさか、ねえ?

「…千鶴宮、お前すごい悪い顔してるぞ」

まるで、化け物でも見るかのような顔で私のことを赤間宮が見てくる。

けれど、今はそんなことどうでもいいの。

「別に?何でもないよ」

これは、黒条が帰ってきたら問いただしてみなきゃね♪

ついに黒条にも春かー。

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