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クロスタイム・マジプロ!第2部~セイレイの炎~  作者: 異星人
第3章 過去を乗り越えて、未来を抱きしめて
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第0話 ≪Before the Fire。夜明け≫

銀河の町は一度壊れかけたことがある。いずれ戦士である愛香はカゲを作り出すものの『アンシン』と戦い、立派に勝った。だが、愛香がいなかった間、町はカゲで混乱していた。そのうち、妹である愛音は怪我をして、びっこを引くようになった。


絶望した愛香は、自分からカゲとなり、デリュージョンと名乗った。そして銀河の町以外の戦士を抹殺した。地球を守る者がなくなった人たちは神に祈った。だが、愛香を愛していた神は地上の命を捨て、彼女のそばを守った。


神と最強の戦士。二人の辞書に不可能という言葉はない。無敵の二人と、デリュージョンを従う幹部は、連戦連勝だった。


おとぎ話は絶望と塗り替えた。デリュージョンの支配の下、誰もが苦しんだ。だが、数か月前、三人の戦士がその最後のページを書き換えた。新たな時代の戦士、マジプロの登場であった。


彼女らにはカゲを浄化する力があった。デリュージョンの妹・愛音とともに、三人のマジプロは愛香の心を取り戻した。だが、まだ愛香は自分の罪から抜け出せないままだった。

一番暗い時間。それは夜明け前。




第0話 ≪Before the Fire。夜明け≫




「愛香、愛香…。」


愛香は自分を呼ぶ声に目覚めた。目の前に神がにこり笑っていた。


「愛香、今日の朝御飯は君の唇にしたいな。」


神をぼうっと見ていた愛香は微笑みを浮かべ、後ろから枕を持ち上げた。ニコニコしながら、愛香は神と自分の間に枕を置いた。


「え、愛香?」


目を開いた愛香は、全力で枕をぶっ殴った。


「変態避けパンチ!」

「ぐっ!」


後ろに押された神は泣きべそになった。


「酷いじゃない、愛香!」

「もう、わけわかんない!神君、スケベになったんじゃん!」

「スケベ…って違う!僕は愛香が、愛香だけが大好きで!」

「うるさいっ!」

「げっ!」


神はまた殴られ、倒れてしまった。


「私、遊んでるわけじゃない!みんなに許され、町で暮らすため精一杯なんだ!みんな私を受け取ってほしいから!」


町に戻った愛香は、町のみんなを尋ね、頭を下げ、なんども誤った。


「そんなことやめてよ、愛香。」


神は愛香が頭を下げることを見たくなかった。愛香には幸せにいて欲しい。ただそれだけ。


「愛香の妹はもう愛香を許した。マジプロのやつらもおなじさ。愛香が誤るひつようなんて…。」

「あるわよ!」


愛香が大声を出した。


「みんなにわかってもらいたい…。私の本当の気持ちを!」


そう。それは四人のマジプロがそろってから一ヶ月の話。それは、今まで愛香が頭を下げた数とも同じ。


「今まで、本当にごめんなさい!」


今日も愛香は町のみんなに誤っていた。


「みんなにつらい思いをさせたわね。」


愛香は頭を下げた。かつて悪のボス、デリュージョンだった彼女は罪深き魂の出来事を許されるため、毎日頑張っていた。


町の人々は愛香から紙袋をもらった。中には愛香が一所懸命つくったお菓子があった。


「申し訳ありません。」


町から出られなかった人には外国の本をプレゼントした。自由に羽ばたく鳥もあげた。でも、どうやっても家族を失った者と合わす顔がなかった。


「あの日、愛香は町を守るため頑張った。わかってくれないやつらが悪いんだ。」


愛香が悩んでいると、神は後ろから彼女を抱きしめ、きっと大丈夫と言ってくれた。


「大丈夫。絶対みんな許してくれる。」


ありがたい言葉だけと、ただそれだけ。罪悪感は消えなかった。


ついに今日、愛香はお詫びを入れるため被害者の家族とあった。


「許してほしいとは言いません。ただ、私になにかできることがあるなら…。」


愛香は重ねてお詫び言を言った。彼女を、いや、彼女の後ろにいる地球の神を見ていた女性が愛香に近づいてきた。


愛香は唇をかみしめた。きっとせめてくると思ったから。だが、近づいてきた女性は愛香の肩を軽く叩いた。


「気にしないでください。」

「え…?」


愛香はびっくりした。それは当然のこと。愛香はかつて、妹の怪我を見て狂ってしまった。妹を守ってくれなかった人に牙をむいた。なのに、家族を失った者たちに簡単に許されるわけがない。


(なにかおかしい…。)


帰り道。はしゃいでいる神とは違い、愛香の心は落着き、深く沈んでいた。


(大切な人を失ったのに、こんな簡単に許されるなんて。)


愛香の瞳がひらめいた。


「やはりありえない!」

「愛香?愛香!」


愛香は町へと走り出した。愛香のそばでいた神は驚いて、早く愛香を追いかけた。


「なあ、愛香。帰ろうよ。太陽も落ちてるし!」

「帰りたいなら一人で帰れば?」

「僕が愛香をおいていくわけないだろう!」


地球の神は愛する女の前では一人の男だった。いつもなら、人の心を自分勝手に塗り替えて、操り人形のようにしたが、愛香だけにはそんなことできなかった。


「帰ろうってば。」

「しっ。」


町へ戻ってきた愛香はざわざわしてる人たちを見て、耳をすませた。そしたら、驚くべきの真実が聞こえてきた。


「なぜあんなやつよゆるしたんだ!」


妻を失った男が叫んだ。


「あいつは人の心を闇へ閉じこんだ悪魔なんだ!さきもやつの技にやられて、自分から命を…!」

「おだまり!」


年を取るたび知恵を得た女性は、息子に大声を出した。


「『あれ』がまたデリュージョンになったら、どうなると思う。」

「また、闇に落ちたら…?」

「そう、その時は町ごと消えるんじゃ!」


一瞬、愛香の息が止めた。そばにいた神はどうすればいいかわからないままだった。


「歯向かうことはできん!われらにできるのはうなずくことだけ!」

「そんな、そんな…!」


男は泣き出した。いや、彼だけではない。聞いていた愛香の目からも涙が流れた。


「受け入れてくれたと思ったのに…。」


つらい真実に胸が痛い。


「私が怖いから…?」

「違うんだ、愛香。あんなやつらのいうことなんて聞くなよ!」

「あなた、知っていた?」


神は口を噤み、目をそらした。


「そう、神だもんね。地球のこと、わからないわけないよね?」


つらかった。今まで黙っていた彼が、裏切り者のようで。いや、町を裏切ったのは自分だ。だからいま、固く鋭い罪に心を刺されてる。


「ひどい、ひどいよ神君!」

「愛香!?」

「ついてこないで!」


愛香は走り出した。神だって男。好きな女を放って置くわけない。だから空をとび、一所懸命愛香を追いかけた。


「もう、一人にさせてよ!」

「そんなこと、できるわけないだろう?」


走り続けた愛香はいずれ小さな丘の上にいた。息切れする愛香は、誰かを見て足を止めた。


「おや、これは女帝ではないか。」

「えっ?」


愛香の前には先の男がいた。


「あなたは…。」

「お前のせいで、俺のさきを失った!」

「ごめんなさ…。」

「誤るな!」


男が叫んだ。


「お前にそうする資格はない!」


男が愛香を攻める姿を見ていた神は、腹が立った。


「影になる者は全部心の痛みを持っていた人だ!お前の妻が弱かったことを、愛香のせにするな!」

「ちょっと、神君!」

「弱い…?」


男がつぶやいた。


「ふざけんな!さきを失った俺は、何年も苦しんでいた。なのに影なんかならなかった!お前のいうことは嘘だ!」

「あら、そうかしら?」

「は…?」


男は後ろを振り向いた。そこに妄想帝国の幹部、フィルムが笑っていた。


「フィルム!?」

「久しぶりです、デリュージョンさま。」


フィルムが微笑んだ。愛香は後ずさりし、後ろに下がった。


「何しに来た!」


神がフィルムの前を立ちふさがった。


「あら、恋に落ちて地球を見捨てた神様まで。」

「見捨てる…?」


愛香がつぶやいた。


「そうです、デリュージョンさま。あいつはー。」


フィルムが話す前、神はエネルギーを詰め込んだ玉を彼女に撃った。


「だまれ。」

「ふん…。ずいぶんロマンチストだね。」


木の上に逃げ出したフィルムがひそかに笑った。


「まあ、いいか。今日はいい絶望の匂いを探したから。」


フィルムは男にウィンクした。男は慌てて、指先で自分を刺した。


「絶望って、俺が…?」


男の足元に集っていた影が呻いた。それを見た男は、いずれ笑い出した。


「そうか。俺もやっと、さきのもとへ…。」

「だめよ、あんた!」


でも、愛香よりフィルムが早かった。


「飲み下せ、デッカゲ!いでよ、カブッタカゲ!」

「カブッタカゲ!」


絶望した男はカブッタカゲとなった。目の前で現れた魔物を見て、愛香はこぶしを握った。


「また、救えなかった…。」


愛香が歯を食いしばった。


「私には、何もできないっていうの…?」

「愛香、そんなことじゃ…!」


神は愛香の肩をつかんだ。愛香が再び闇に落ちるのが怖いから、一所懸命説得した。だが、フィルムのほうが早かった。フィルムが投げた黒いエネルギーが神に近づいた。


「くっ!」


神は愛香を守るため前へ進み、フィルムの攻撃を反射した。


「今夜は私と遊んでくれよ、にいちゃん!」

「愛香に手出しはさせない!」


神がフイルムを止める間、カブッタカゲは丘を駆け下りた。


「カブッタカゲ!」


カブッタカゲは自分の絶望を集め、大きなエネルギーを生み出した。それを町へと撃つ瞬間ー。


「マジプロ!インターセプト・ザ・アタック!」


町の中心で大きなシールドが現れた。シールドは咲き誇るように町の中心から広がった。


「カゲェ!」


攻撃を消されたカブッタカゲがもがき始めた。


「エリミネート!」

「はいっす!」


空回りしたエリミネートは、インターセプトのシールドを踏み、その力でカブッタカゲをぶっ倒した。


「大丈夫っすか?」


空から降りてきたエリミネートは、愛香に近づいた。


「怪我はなしっすね、よかったっす。」

「放っておいて。私なんか、犯罪者だし…。」

「愛香さん。」


愛香を見ていたエリミネートが、両手で愛香の頬を包んだ。


「いったっ!」

「しっかりするっす!」


びっくりした愛香に、エリミネートがさけんだ。


「いま落ち込んでどうするっすか?まだまだやりたいことたくさんあるんじゃないっすか!」

「私のやりたいこと…。」


愛香が手を胸にあてた。


「みんなにちゃんと誤りたい。再びみんなを守っていきたい…!」

「そうっすよ、愛香さん!」


エリミネートが愛香の手をつないだ。


「ここで立ち止まるともったいないっすから!」

「そうよ、伯母さん!」


空からクラッシュが降りてきた。


「これからいっしょに生きていくんでしょ?」

「愛子…。」

「私は伯母さんとたくさん笑って、いろんなものを見ていきたい!」


一転したクラッシュはそのままカブッタカゲを飛び蹴った。


「あなたもよ!大切な人を失っても、私たちは生きていかなければならない!」

「カ、カゲ…。」


カブッタカゲが迷ううち、クラッシュが連続キックを決めた。


「帰ろう、私たちの町へ!」


ぱっと笑ったクラッシュが手を差し伸べ、大きなエネルギーの輪を作った。


「マジプロ!クラッシュ・ザ・シャドウ!」


インターセプトが浄化された男を支えた。目を覚ました男は三人のヒロインをみて辛そうに、でも確かに微笑んだ。


「そう、俺も、生きていく…。」

「ちっ!」


戻ってきた男を見て、フィルムは妄想帝国に戻ってきた。


「本当に、ごめんなさい!」


愛香は男をみて、頭を下げた。


「でも、それでも、私たち、生きていくしかないから…!」

「ああ、そうだな。」


男が手を差し伸べた。愛香は涙を抜いた後、彼の手をとった。


「きさま誰の手を取るのだ!」

「もう、神君!意地悪しないで!」


銀河の町は平和を取り戻した。なくしたことは多かった。戻らなかった。でも、みんな希望を胸に抱いた。


あの炎が、再び火をつける前には。


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