あなたにさようなら
今日でお別れだね
今までありがとうね
窓から見えるこの景色
いつもの町並みがきらめいてる
忘れないよ
いつまでも
毎朝
起きるたび
あなたを見た
時にはあかるく白い笑顔で
時にはどんより翳りを漂わせて
あなたも私を見てくれてたよね
今日かぎりでそれがおしまい
なんだか寂しいけど
心はウキウキしているよ
壁の黒いシミは
あの夜涙でつけたもの
柱の囓り跡は
ペットのデグーマウスがつけたもの
大家さんには言えないから
あなたにはネズミが出ますよって
嘘ついた
使い古した歯ブラシ捨てて
新しい歯ブラシを買おう
カーテンはずして
段ボールに詰めて
さようなら、1人で5年住んだあなた
あなたはいい部屋だったよ
これから私は彼と2人
新しい部屋で生きて行くんだ
青とピンクの歯ブラシ並べて
新しい未来へ
あなたのことも忘れないからね
なんだか狭くなったみたいなガランとしたあなたを見ながら
さようなら
にっこり笑顔で
最後のドアを閉めた