君と私のこれからの話を
君に出会ったのは高校1年の入学式だった。
びっくりするほど整ってもなければ、身長も高いとは言えなかったが、一目見たときに私は血が沸騰しているのではないかと思うほど全身が熱くなった。一目惚れだった。
残念ながらクラスは違うかったけど、部活は同じでそれだけでとても嬉しかった。
それから少しずつ距離を縮めて二人はお似合いだねって周囲から言われたり、
ってなったらどれだけ良かっただろうか。そんなに事はとんとん拍子には行かず、喋るのでやっとだった。
そんな君には可愛い幼馴染がいた。その幼馴染と君はいつも一緒にいたね。
恋愛経験のない私でも分かる。
付き合ってるって。
何とかその間に入れないかと友達と策を練ったが、実行する勇気がなかった。二人を引き裂く悪い女にはなれなかった。
それじゃあこの気持ちはどこへやればいいだろう。
君を見るだけで高鳴る胸の鼓動、紅潮する頬、泣きそうになる瞳。
君をこんなに想っているのに隣には彼女がいる。
そんなことを思っている内に2年、3年と学年は上がっていき、とうとう卒業する日がきてしまった。
私は何が出来たんだろう。私だって彼女ほど可愛くないが、告白されるくらいには見目は良かった。
彼女と何が違うんだろう。
顔?性格?一緒にいた時間?
そうだ、時間だ。
いた時間が2人を結んだんだ。
彼女と君が出会うのが私と同じ高校の時だったら、君の隣にいたのはきっと...
いや、全てたらればの話だ。現実が目の前にある。
卒業式で君と彼女が一緒にいる。これが現実だ。
でも何だかいつもと違う。距離感?2人の間の空気が違う。
私は友達に聞いた。
「ねぇ」
「どうしたの?」
「あの2人まだ付き合ってるよね?」
「いや、最近友達に戻ったらしいよ」
「なんで?」
「さぁ?」
どくんと脈打つ心臓。
今がチャンスだ。
本能が私に言った気がする。
チャンスを無駄にする馬鹿がどこにいるだろうか。いやいる。君と出会い始めの私だったら無駄にするだろう。
でも、これまでに培った君との関係、君のどの女友達よりも喋っているし、仲が良いと思っている。
だから分かった、君と幼馴染の空気が今までと違うことに。
なら行くしかないよね。
君とこれからの話をするために。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。
この話は、三月をイメージして書いた小説です。
三月と言えば別れかなと思い、最初は悲恋にしようと思いましたが、書いている内にこうなりました。オカシイナァー?
楽しんでいただけたら幸いです。