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ペンギン三兄弟

ペンギン三兄弟 〜 18話 空飛んでみる? の巻

作者: たかはら りょう


ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。

今日も仲良く暮らしています。


チャンがめずらしく本を広げていました。


ゴン「チャン、どうしたの、本読んでるなんて、熱でもあるんじゃない?」

チャン「何言ってるの、たまにはオレだって、本ぐらい読みますよ」

ドン「何読んでるの?」


チャン「『ペンギン物語』だよ。「ペンギンは、鳥類だが、翼が退化して飛べなくなった」ってここに書いてあるけどさ。じゃあ昔は飛んでたってことだよね」

ゴン「一応、鳥だからね。昔は飛べたんじゃない?」

ドン「ペンギンは、空よりも海を選んだのさ」

チャン「海の方がおいしいものいっぱいあるもんね」

ドン「そうそう。ご先祖様の選択は間違ってなかったよな」


チャン「でもさ、空飛ぶってどんな気持ちなんだろうね」

ゴン「あ、もしかして飛んでみたい?」

チャン「いや、オレ高いとこ得意じゃないから、別に飛べなくていいんだけどさ。飛ぶってどんな気分なんだろうなって思っただけ」


ゴン「飛ぶ気分を味わいたいなら、もってこいの場所があるよ」

ドン「へえ、どこどこ?」

ゴン「行ってみる?」

ドン「行ってみたい」

チャン「ゴンのいう所って、あんまり気がすすまないけどなあ」


結局、3羽は、ドンの言う、飛ぶ気分を味わえる所へ、出かけることにしました。


やがて3羽は、大きな門の前に着きました。

門には、『あさくさ ゆうえんち』と書かれています。


チャン「ゆうえんちじゃん」

ゴン「そうだよ、まあ、ついてきて」


ゴンがやってきたのは、「ジェットサークル」という乗り物の前でした。


1人乗りの飛行機が数台、輪になって、高い所でグルグル回るアレです。


ゴン「これに乗ったら、飛んでる気分になれるぜ」

ゴンは、自慢げに言いました。


チャン「ちょっと高いなあ」

ドン「飛ぶんだから高いに決まってるよ」

チャン「だから、オレは飛びたいわけじゃなくって、どんな気分なのかなぁって思っただけで」


ゴン「つべこべ言わないの!」

ゴンはチャンの背中を押して、乗り物の飛行機へ乗せました。

ゴン「オレたちも乗ろうぜ」

ドン「オー!」


3羽が乗り込むと、ピーっとブザーがなって

飛行機は、上へ上へと上昇を始めました。


ゴン「チャン、しっかりつかまってろよ」

ドン「振り落とされないようにね」

チャン「ヒ〜」

チャンは、すでに目をつぶってカチコチになっていました。


飛行機が1番高いところまで来ると、今度は回り始めました。

最初はゆっくり、そしてどんどんスピードが上がります。

おまけに上下にも動きはじめました。


ゴン「きもちいいー」

ドン「たのしいー」


ゴン「チャン、ほら目を開けて!最高の眺めだよ」

ドン「ほんとだー、飛ぶってきもちいいなー」


チャンは、怖かったのですが、ちょっとだけ

薄目を開けて、まわりを見ました。


真っ青な空と真っ白な雲、そして小さくなった建物が下に見えました。

風がビュンビュンと、チャンの大きな顔に当たりました。

その風のなんと気持ち良いこと!


チャンは、しだいに大きく目を開けて

しっかりと空を見ました。

空だけを見ていると、本当に自分が飛んでいるみたいな気分になりました。


ペンギン3羽が、飛行機に乗って、グルグル飛んでいる光景は、

なかなか貴重だと、

係のお兄さんも、微笑みながら見上げていました。


おわり


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