第8話 ハイスピードで検証&準備
「にいちゃん……」
「どうした?」
「なんでまだ家にいるの?」
なんだその目は。全く、怒っちゃうぞ、ぷんぷん!
「あ゛?」
「すいませんすいません」
「それで!昨日、旅立つとか言ってなかったっけ?」
「いやね、そんな行き当たりばったりで旅できるわけないじゃん。しっかりとした計画が大事なんだよ」
「言ってることは正しいはずなんだけどなあ……」
なんだその目は。
と、いうのは冗談として。もう少しスキルの活用法を確立してから出発しようと思った次第である。
具体的には、座標指定後の攻撃手段、それ以外の攻撃方法だ。また、同時にいくつまで座標指定できるのか、いつまで座標指定できるのかの検証も行いたい。
「じゃあ僕、パトロール行ってくるから」
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
捨て猫や野良犬の魔獣は住宅地にも出現するため、この町では有志が自警団を作り、主にパトロールをしているそうだ。作ったのはまいまざー。
目の前には間取り図。
まず同時にいくつ座標指定できるのかを今日はやっていこうと思いまぁ~す!ひゅう!
……俺絶対y○utuberなれんわ(偏見)。
「《位置の眼》!」
俺から光の線が碁盤の目のようにのびる。
俺は間取り図に二本指を置いてみる。
(x=-3,y=0)(x=1,y=-1)
「《座標指定(x=-3,y=0)(x=1,y=-1)》」
俺はこつんと床をたたいた。
リビングに三つ音が重なって聞こえた。問題なくできるようである。
そんな感じで三点、四点……と増やしていく。
結論としてはいくつでもできるし、指定してから一時間は持つ。
微動だにせずにテレビ見つつ一時間過ごすのはちょっときつかった。
また、足の指を使って十一点目に挑戦していると、謎の倦怠感に襲われた。ウインドウをみると、魔法力の値がゼロになっていた。おそらく、この魔法力というものはゲームでいうMPなんだろう。ちなみに、この検証をする前に神様に質問したら、
ーーーーーーーーーー
システムに関することしか答えないよ★
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と言われた。
しっかし、座標指定を指だけでやるのは少し無理がある。二回に分けると一回目のが解除されるみたいだし、毎回地図に指を突き付けて能力発動とか……かっこよくない。こいつはいけねえ。何かいい案でもないものか?
「え?座標指定?手段か……うーん……針とか、どう?」
「お前天才か弟よ」
「え、きもっ」
攻撃手段は家の倉庫にあった木刀にした。
これで準備完了、明日が旅立ちの時だ!
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