第7話 乗るしかない、このビックウェーブに!
評価ありがとうございます!狂喜乱舞しました。
ちなみに私、1ptでももらえたらうれしいんですよね。
|д゜)
「ねえお父さん。言っちゃっていい?」
晩ごはん中のことだ。唐突に、少女のように頬を上気させて母は言った。
嫌な予感しかしない。
「おう」
ニヤニヤしながら、父は母を見守っている。
「会社はしばらく休みだし、あなたたちのお弁当もないから!
私たち、夫婦旅行に行くことにしましたー!」
「「いえーい」」
ハイタッチする二人は、高校生の息子がいると思えないぐらい若々しい表情だ。
「え、でも待って。なんか、魔獣ってのが、今、いっぱい、いるんでしょ?ねえ、にいちゃん」
慌てすぎだぜ、我が弟よ。ちなみに魔獣とは、スキルを持って人間に害を与える動物のマスコミでの呼び方だ。
「ニュースでめっちゃやってるよ?危ないって」
俺に求めた答えすら聞かず言う。
「大丈夫大丈夫!俺はなぁ、若いころ!ブイブイ言わせてたんだぞ!」
父はぐびっとビールを煽った。
「勇者やってたんだ、勇者!HAHAHA!」
「まーた冗談ばっかり言って」
弟は信じていない様子だ。
「と、言うわけで!私たち明日からしばらく家空けるから!」
「ええ……」
困惑しかないが、乗るしかない、このビックウェーブに!今日一日中考えてみたが、夏休みの今が好機だ!
「俺、旅に出るわ!なんかこのままじゃ穀つぶし確定だし!」
「それでこそ我が息子だ晴翔!」
父さんは完全に酔っている。
「お母さん、応援してるわ!」
「完全に中二病じゃんにいちゃん!?僕だけ完全にアウェーだよもう泣きたいよ」
「ああその前に、父さん母さん、ウィンドウ見せてくれない?」
「なんだそれ?」
「これ」
俺はステータスウィンドウをだす。
「あー、これの話ね!どうぞ!お父さん、こうするのよ」
「なるほど」
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針山和人(55) レベル99
職業:????? レベル99(会社員 レベル23)
状態異常:中二病(極)
生命力:990
魔法力:9
攻撃力:990
魔攻力:9
防御力:990
魔防力:99
スキル:
剣術 レベル1▽
聖剣召喚 レベル1▽
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針山アンナ(??) レベル99
職業:????? レベル99(会社員 レベル15)
状態異常:なし
生命力:99
魔法力:990
攻撃力:9
魔攻力:990
防御力:99
魔防力:990
スキル:
秘術 レベル1▽
結界 レベル1▽
聖霊召喚 レベル1▽
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針山晴樹(14) レベル1
職業:野球部学生 レベル6
状態異常:なし
生命力:15
魔法力:10
攻撃力:15
魔攻力:5
防御力:15
魔防力:10
スキル:
棒術 レベル1▽
ツッコミ レベル1▽
平静 レベル1▽
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「父さんと母さん強すぎだろ!」
「あら、おかしいわね?ちゃんと隠してたはずなんだけど」
「え、まさか、ほんとに……?でも、僕とそう変わらない数値だよ?っていうかなんだよ中二病(極)って!?それに母さん!?年齢はどこいったのさ!?」
「偽装してんだよきっと」
なぜ俺にははっきりと見えるのかはわからないが。魔眼か?魔眼なんか?……そう考えると、職業が?????なのも気になる。
「私も少し試してみたんだけどね、これ、もともと持っている技能にプラスアルファされるみたいなの。つまり、いくら私が薙刀ができたって、スキルにはレベル1としか表示されないみたい。職業のレベルはその限りではないみたいだけどね」
だろうね。
「何か分かったか?晴翔」
「うん」
「何が分かったって言うのさ、にいちゃん」
「俺家族の中でいちばん弱えわ」