第4話 魔眼発動!
だいたい読み尽くしたし、そろそろ有益な情報もテレビに映ることだろう。
映ったのは、俺も家族といったことのある牧場だった。
俺は思わず息を飲む。
平和でのどかなところで、当時小学生だった俺は、牛の乳搾り体験をしたことを覚えている。
家族の談笑、牛の和やかな鳴き声で満たされていたその草原は今、悲鳴と呻きで満たされていた。
一体、どう言うことだ?
フリーズしかけた頭をこき使って考える。
確か、神様は『頑張って生き延びてね』と言っていた。つまり、死ぬ可能性が大幅に上がると言うことか。
スキルを与えるのは人間だけだなんて、神様はちっとも言ってない。
これは人類の尊大さが招いた失態だ。
蝉の声が嫌に耳についた。
仕事に行っていた親も、部活に行っていた弟も無事に帰ってきた。
父親は剣道有段者、母親は父方の祖母、母にとっての姑に仕込まれた薙刀ができる。弟は野球部だから、バットを持ち歩くと言っていた。弟はスキルも身体強化に偏ったものだったらしい。
俺は特に武道の心得はない。……あれ?家族で一番弱いの俺?まあいい、それは置いておくんだ。
しかし!頑張ったらなんとかできるふんじゃないかな、魔眼があるし(謎の魔眼に対する信頼感)!
「お は よ う」
あーたらしーいーあーさがっきたー。
家族はもう出かけている。時計を見るともう10時。
俺は着替え、朝ごはんを食べ、ごろごろする。宿題?何それおいしいの?
よし、スキルの確認をしてみよう!
……。
どうやって使えばいいんだ……?
俺はウィンドウを開き、メッセージのタブを開く。
「すいませーん!質問いいですかー?」
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はいはーい、神だよー☆
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「おはようございます!ところで!スキルって!どう使えばいいですか!?」
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なかなか興奮してるね!まあ、このボクのかいた文章を読んでるんだ、それは当然の反応さ!
で、どうやってスキルを使うかだけど、自分で色々設定できるんだ!例えば、スキル名を言うことで発動するとか、頭で考えたら発動とか。
初期設定だったらスキル名を言うことで発動するよ。
ウィンドウを開いて、スキル名をタップしたら、タブが開く。そこから設定をどうぞー。
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「ありがとうございました!」
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じゃねー☆
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スキル名、か。
「《位置の眼》!」
まずは魔眼、貴様からだ!
かっこいいポーズをとってみる。ゴゴゴゴゴ。
「うおぉぉぉおおお!」
光の線が等間隔に俺の足元から走る。すっげえ!なんかSFっぽい!
で、どうするんだ?このままだと、光線が見えるぐらいだぞ。
スキルの説明は指定したものの位置がわかるということだったが、どう指定すればいいんだ?
俺はへたりこむ。指先が足元に触れた。少し床が冷たい。
「っうゎっ!?」
すると同時に、頭に座標が表示されたではないか!
(x=0,y=0)
……うん。中1でやった気がする。俺もう高校だよ、神様。