第2話 スキル
……はぁ?
いやさぁ、昼寝から起きたらこれだよ、若干ナルシ入った自称神のボクっ娘の声だよ。
……はぁ?
いやさ。耳がすんごい幸せなんだけどさ。言ってることが問題なわけでして。何、スキルって?ファンタジー?
ってか。こいつ、脳内に直接……!って本気で言いたくなる日が来るとは思わなかったよ。
俺こと針山晴翔は、冷蔵庫からきんきんに冷えたアイスを出して溜息をついた。
アイスまじうめえ。
あれだよ、まるで最近流行りの、現代にダンジョンができるやつみたいだ。
今は夏休みだから、食っちゃ寝最高な生活を俺は送っている。だがしかし、こんな面白そうなことに乗っからない道理はない!
そのスキルとやらを確かめてみようじゃあないか!
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針山晴翔(15) レベル1
職業:学生 レベル1
状態異常:中二病
生命力:10
魔法力:10
攻撃力:10
魔攻力:10
防御力:10
魔防力:10
スキル:
座標指定 レベル1▽
位置の眼 レベル1▽
質問フォーム▽
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「ブッフォウッ!」
うわこれすげえ何のゲームかよまじか。
て言うか!なんだよ!状態異常中二病って!おい!俺もう卒業したよ!神様公認かよ!
確かにさ、時々妄想ぐらいするけどさ、これは幾ら何でもひどく無い!?
……ふう、落ち着け、俺。
まあ、ここはひとつ、テンプレ通りにスキルの内容確認だ。 でてこい!俺のスキルの説明!
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座標指定
座標を指定できる。
位置の眼
数字の魔眼No.1。ものの位置がわかる。
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魔眼!なにそれかっけえ!鏡見てみよう鏡!あれだよ、オッドアイとかになってっかな?オラわくわくすっぞ!
洗面台に俺は走る。
………………まあ…………そんな事、ないよね。普段通りの、イケメン……?ってな感じの顔だ。
それで目が覚めた。あれだよ、深夜テンションだったんだよ。真昼間だけど。
そもそも出てこいって念じるだけで目の前にウィンドウが出てくる事からおかしい。なんだこいつは。
はあ、取り敢えず質問フォームとやらを確認しよう。