一期一会
振り返るとそこには二人の男がいた。
片方は眼鏡をかけいかにも優等生のような顔立ちで服装は制服っぽかった。
もう片方は髪が長くもう一人の方と比べ20センチ位小さかった。
陰と陽のようなペアだった。
「君達ちょっとお話良いい?」
眼鏡をかけた方が話しかけてきた。
ジェスチャーが多めで少し胡散臭さを感じた。
わかりやすく言えば詐欺師とか押し売り業をする人みたいな感じ。
「は、はい?」
僕は手で伊藤を後ろに下げ警戒したまま敬語で返事をした。
同じwizardといっても他人だから信用できないのだ。
もしかしたら人の型クラミティかもしれないし。
「そんなに緊張しなくていいよ。私の名前は柿家 雄平、好きに読んでくれて構わないよ。」
営業的な笑顔でそういった。
山下 雄平…。
聞いたことのない名前だった。
顔立ちからするに高校生?少し僕らより大人っぽい一面があった。
「あ、うん。」
ここで初めて僕はタメ口では返事をした。
「僕の名前は東 拓馬。お話って何?」
「あー、その事ね。私たちと一緒にwizardを有名にしない?」
僕は雄平さんの言っていることがわからなかった。
だって普通に考えてそれは不可能だと思う。
なにせ僕らwizardは常人の目では見ることができない、見ることができないものを有名にするなんて傍から見たら危ない宗教を立ち上げるのと同じことになる。
もしかして相当危ない思考の持ち主かもしれない。
名前を言わなければよかったと今更思った。
「詳しく」
「私たちはあのお方がくれた病んだ人への救済をほかの人にも味わってほしいんだ。これだけのすごいものを人類に託さないでどうするって私は思ってるんだ。そのためにはまず人類を病ますんだ。そうすることによってみんな私たちが見えるようになる。そのためにはまず心を食すクラミティを増殖させないと。」
僕は非汗をかいた。
こいつらはやばいと。
「…。」
「どうだい?今のうちにメンバーに入っていたらどうだい?そしたら苦労せずにいい役職を手に入れられると思うからさ」
「ごめん。今回は遠慮しときます。僕たちはちっぽけで逆に迷惑かけると思うから」
もちろん僕は断った。
こんなのに巻き込まれてたら本当にやばいと思ったからだ。
「そんなことはないよ。私も一人のちっぽけな人間だから。ぜひ私たちと一緒にwizardの存在を世間に露わにしようよ。」
あちら側も引かなかった。
本当にいい迷惑だ。
「いや僕らは本当にいいです!」
「ああ…。残念だな。まあいいさじきに入りたくなると思うから。それとお願いがある。くれぐれも私たちの邪魔をしないでくれよ?東 拓馬、お前の名前は覚えたからな。」
そういうと二人はどこかの方へ飛んで行った。
僕は彼が行った後何かわからない恐怖で少し震えていた。
人類を病ます。
クラミティを増やす。
そんなこと僕からしたら無駄な事だと思う。
これ以上病んでる人は増やしたくない。
でも正直興味ない。
それにあんな胡散臭い二人組がそれらを達成できるはずがない。
今日の事は変な人と遭遇したってことで片づけることにした。
「今の人怖かったね。」
伊藤の声で緊張が吹き飛んだ。
「そうだね…。おかしなwizardもいるんだね」
「うんw」
時間も時間なので引き返すことにした。
午後からの授業の開始義国は1時4分。
今の時刻は1時8分。
まだ余裕があるのでゆっくり行くことにした。
その間今さっき喋れなかった分を話しながら帰った。
「ただいま」
僕は大きな声でみつに聞こえるように叫んだ。
彼奴は家に帰るのが早くてどれだけ僕がとばしても先に帰宅しているのだ。
彼曰くwizardの力は使っていないようだ。
「お帰り~」
二階から声がした。
どうやら自室にいる。
僕は一回の洗面所で手を洗い二階に上がった。
「ねー、今日変な人と出会ったんよー」
僕がみつの部屋を通りかかった時にみつが僕に話しかけてきた。
少し話に興味があるのでみつの部屋の中に入った。
「え、どんな人?僕もであったかもしれない」
「ええとね、なんかwizardの宗教つくろーって俺に行ってきたんよ。」
「え!?それって眼鏡かけた人だったよね?」
「そーそーあの胡散臭い人だったよね」
まさかのまさかだった。なんとあの雄平ってやつは多くの人に話をかけていたのだ。
びっくりした。
「ちゃんと断った?」
「俺宗教とか興味ない」
「よかった。」
ともかくあいつらは本気でやっていることが分かった。
wizardは病んでいる人が多い。
病んでいる人は宗教に依存するということを聞いたことがある。
つまりこれからあの宗教的なものに参加する人は大いに増えていくのではないかと思う。
これは今のうちに潰していた方がいいのでは?
「あのさ、みつ」
「何?」
「あいつらを倒さない?」
「え、なんで?」
「だって結構やばそうだったし」
「大丈夫だって。あんなの有名にならないし」
「まあ…。」
みつが言うのだから多分大丈夫だと思う。
彼を信じよう。
何度も言うが確かにあいつらは胡散臭いし達成できるとは思わない。




