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怖めず、臆せず

僕らは病院が開く時間ぴったりについた。

その病院の外見は普通でそこまで大きくない。

駐車場には難題か止まっていた。

推測するにおそらく医師達のものだろう。

そんなこんなで僕らは病院の前で立ち止まっていた。

やはり入りにくいのだ。

この年で妊娠。

周りの人間が聞くと異様に思うだろう。

そのため医師である彼らも一人の人間なのでそう思うだろう。

「…」

「…」

相変わらず沈黙だけが流れた。

「ねえ。やっぱ私一人だけで行くよ。拓馬君は帰っていいよ」

「いいや、僕も行く」

その時迷いが途切れた。

彼女の手を強く握り病院の中にかけて行った。

靴を脱ぎ、上がり奥に進む。

やわらかい香りが鼻に入ってきた。

開いた直後だったこともありまだほかの患者さんはいなかった。

その部屋の奥まで進むと受付と思われる場所についた。

受付には女の人が一人立っていた。

見た目は50代ぐらいで、少し太っていた。

その人の胸元には名札がついておりそこには「町田 知美」と記されていた。

人相は優しそうで僕らを見ても僕らをみても驚かなかった。

だから不思議と安心した。

初めてだから最初はどうなるかと思ったが今はもうほとんど落ち着いていた。

「おはようございます」

と、町田さんは優しく挨拶をしてくれた。

僕らも自然にあいさつをした。

「今日は初めてですか?」

端正な質問だった。

「はい…。」

伊藤が悲しそうに返事した。

僕は彼女の朧な表情を横かろただ見つめることしかできなかった。

「じゃあ、この紙に記入してもらっていいです?」

そういってペンと紙を渡された。

特に何も言われなかったが僕はそういう性格なので思い過ごしてしまった。

 その紙には体重、身長、アレルギー、昔かかった病気などといろいろ書かなければいけないものがあった。

流石に伊藤も女の子なので僕は目をそらした、

 しばらくすると伊藤は書き終わった。

立ち上がりその紙と保険証を出した。

一分もしないうちに先生に呼ばれた。

先ほどは止まっていた震えもまた復活し歩くことに対し邪魔をしてきた。

無意識のうちに手を繋いでいた。

彼女は顔に死相を浮かべていた。

 扉を開けると先生がいた。

少しこわばった顔で僕らの事を見つめていた。

何をすればいいのかわからないのでとりあえず挨拶をした。

「こ、こんにちは…」

「こんにちは、どうぞお席へ」

声のトーンに変化なくなれた感じで接してくれた。

「で、今日はどうされたんですか?」

沈黙が続いた。

伊藤は泣きそうになっていた。

「あの、代わりに僕が説明します。」

「はい」

これまでの出来事を話した。

その間先生はうなづきながらゆっくりと聞いてくれた。

「なるほど…、そういうことですか…。とりあえず検査しましょう。」

「はい。お願いします。」

「では、こちらへ。では彼氏さんは待合室でお待ちください。」

「あ、はい。彼氏…。」

僕はあえて伊藤の方を見ずに退室した。

扉を開けると妊婦さんが何人か座っていた。

何人かと目が合ってしまった。

一瞬立ち止まってしまったが僕はお辞儀をしてごまかした。

絶対変な風に思われている。

僕は一番近い席に腰を下ろした。

頭をだらりと落とし、膝の上に手をのせ座った。

とりあえず今、本当に気持ちが悪い。

吐き気がするし、眩暈もする。

しばらくするとまた何人か入室してきた。

いつの間にか周りの事が気にならなくなっていた。

ともかく伊藤の事が心配だった。

もし妊娠していたら、事が大きくなり彼女自身の精神もさらに崩壊へと進んでいくだろう。

今はただ手を合わせ祈っていた。

ふと頭をあげると、いつ間にか多くの人で混雑していた。

こんなに多いのかと周りを見渡すと何人かが立っていた。

僕は申し訳なくなりすぐに立ち上がった。

赤面したまま僕は席を譲った。

「す、すみません!!座ってください」

手を席の方へ向けた。

妊婦さんはにこっと笑いお礼をして座った。

僕は人気の少ないスペースに移動して、壁に座った。

「はあ…」

深いため息をつき再びうつむいた。

 しばらく無心のまま俯いていると、マナーモードにしていたスマートフォンがバイブ音が鳴った。

ポッケから取り出し画面を確認する。

みつからだった。

「拓馬、どうだった?大丈夫だった?お金足りた?」

本当にひと思いの奴だ。

「まだ検査中。先にご飯食べてていいよ。」

「わかった。拓馬らは昼は外食かな?」

「うん。そうなると思う」

「折悪しくもうご飯つくちゃった。」

写真が来た。

鍋の中に入ったカレーのルーの写真だった。

たくさん野菜が入っておりさらにカレーを飾っていた。

時間も時間なのでお腹が鳴りそうになった。

必死に腹を押えながら返信をした。

「わかった。伊藤もつれてくる」

そうやって会話は終わった。

引き続き伊藤を待ち続ける。

他の患者さん達も用をおえ帰って行ってる。

ため息をつき俯いた。

これくらいしかすることがないのだ。

ゲームをしようと思ってもそういう気分じゃないし、小説も一応もってきたけど開く気にもならない。

今はただ沈思していることを選んだ。

 そして30分たった頃だろう、片を誰かにとんとんと叩かれた。

顔を上げると予想通り伊藤がいた。

目顔が先ほどより明るくなっているのが微かに理解できた。

僕は徐に立ち上がった。

ずっとすがってたせいで立ち上がる時背骨が「ボキっ」となった。

僕は処決し、診察室のドアノブを引いた。

「どうぞ、座ってください。」

伊藤が座り終ると先生は口を開いた。

「検査の結果まだ妊娠はしてませんでした。」

その言葉を聞いた瞬間僕から不安と緊張が吹き飛んだ。

思わず嘆声を上げた。

なにせここにきてやっと安堵できたのだから。

それから先生はわかりやすく口授してくれた。

その内容をざっと表すととりあえず処方された薬を飲めばいいと、そして来週にもう一回検診に来いと。

 僕らは先生に向かって頭を深く下げ退室した。

そのまま受付に向かった。

「はい、これお薬と保険証」

「ありがとうございました」

「お薬と検診代を合わせて、会計12634円です」

僕は財布の中からお金をぴったりお金を取り出し手渡した。

伊藤は申し訳なさそうな顔でこちらを見ていたが僕はそれを無視した。

こんなの伊藤のためと思えば本当に安い位だ。

 無事に会計を済ませ病院を後にした。

外の空気が少し透き通ってる風に感じた。

「拓馬君、後でお金返すからね。今日はいろいろと私のためにありがとう」

びっくりした後ろを振り返るとまた伊藤が泣いていた。

両手で顔を覆い僕に表情が見えないようにしていた。

「本当に伊藤は苦労症だよな。そんなこと気にしないでいいから。お金は僕が負担するよ。」

「それはダメだよ。」

「ほい、この話終わり。昼ごはん家で食べてきなよ。」

「あ、え、それずるい!あ、うん食べる!」

「よし、決まり!」

僕はみつにlimeで「今から帰る」と連絡し、寄り道しつつも家に向かった。

伊藤は本当にすごい、思いわずらったとしても僕のことを気遣ってくれた。

世の中の人が全員伊藤みたいだったらいいのにな。

そしたら誰も傷つくことなく生活できるのに。

僕らは同時に「ただいま」といった。

「はーい、お帰り~」

エプロンをつけたみつがわざわざ顔を出してくれた。

「さあ、早く手を洗って~。お昼ご飯食べるよ!」

「おうおう!」



思春期のドロドロした感じを出したかったのですがなにか少し違いますね…。

そんじょそこらの妄想ストーリーになるのではないかと少し心配です。

でもまあ安心してください。

必ずしもみんなハッピーエンドで終わる折り紙つきのストーリーなんてありませんから。

それから一応、一週間に一話更新するようにしてますのでご安心を。

伏線などもう張ってきているので探してみてはいかがでしょう。

これからもご愛読よろしくお願いします。

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