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九十四話事実だが悲しいあだ名

ミレアナの発言にようやくレイガ達はソウスケの存在に気づき、首をゆっくりと動かしながらソウスケの姿を確認した。


「どーーーーも。俺がミレアナと一緒にパーティーを組んでいるソウスケだ。んで、俺はミレアナを手放すつもりは無いし、お前らを俺のパーティーに入れる事も無い」


ソウスケはレイガにミレアナをお前に渡すつもりは無いと、きっぱりと伝えた。


そしてレイガは石のように固まっていた状態から、自分よりおそらく年下だと思われる少年にバカにした様に告げられた事で、今度は照れからではなく怒りによって顔が赤くなった。


「なっ、おおおおお俺はお前に聞いてないんだよ!!! と、というか、お前は冒険者になってどれぐらい経つんだ!!!」


「? どれぐらいだっけ・・・・・・一週間、は過ぎたかな。それぐらいだけどそれが如何したんだ?」


ソウスケは自分が何時冒険者になったのかを聞いてきたレイガの意図が、全くもって分からなかった。


そしてソウスケの答えを聞いたレイガはソウスケが自分より冒険者歴が短いと知り、勝ち誇ったような顔になっていた。


「一週間だぁ? ルーキー中のルーキーもいいところじゃなねぇか。先輩にそんな生意気な口聞いてんじゃねぇぞ!!!」


レイガは調子に乗りながら昔冒険者の先輩に言われた事を、そのままソウスケに言った。

言い終わったレイガは決まった、とばかりに勝ち誇った顔・・・・・・ドヤ顔を決めていた。


対してソウスケはレイガが何故ここまで勝ち誇った顔をしているのか、全くもって理解出来なかった。


(こいつはなんでそんな威張り散らしているんだ? ルーキー中のルーキーって、お前も冒険者になって半年程度なんだから大して変わらないだろ。というか、逆に俺より総合的な事を考えて下だって事が分からないのか??)


目の前のバカが盛大に勘違いしている事を、ソウスケは先程と同様にバカにする様にレイガに伝えた。


「先輩って、冒険者になって一年も経ってないくせに先輩もくそもないだろ。一週間程でFランクの昇格試験を受けれる俺より才能がない、半年間かかってようやくFランクの昇格試験を受けれる童貞ルーキーが」


悪意しかないソウスケのセリフを聞いた周囲の冒険者は、特に最後のセリフを聞いて吹き出し笑い始めた。丁度Fランクの昇格試験を受ける為に部屋に入って来た冒険者達も、状況が良く分からなかったが最後のセリフを聞いて吹き出し、笑い出した。


ソウスケの悪意が詰まりに詰まったセリフを告げられたレイガの顔は、トマトを通り越し唐辛子になっていた。

ちなみにレイガは今まで娼館に行くようなお金を貯めたことが無く、ソウスケが言う通り正に童貞ルーキーなのだが、レイガはそれを必死で否定した。


「だ、だれが童貞ルーキーだ!!! お、俺はとっくの昔に童貞なんざす、捨てたわ!!!」


必要以上に大声を上げたレイガの言葉は、ギルドの一階にまで伝わっており、全員が童貞ルーキーという言葉を聞いた瞬間吹き出し、腹を抱えてプルプル震える者や、隠さずに大声で笑う者等、男女関係なく笑っていた。


そしてセーレも例外ではなく、口元を手で押さえ、震えながら笑いを堪えていた。


「童貞を卒業した奴はミレアナに声を掛ける時にお前ほどテンパったりしねぇよ。後お前ちゃんと体を濡れたタオルで拭いて歯を磨いてんのか? 結構臭うぞ悪臭童貞ルーキー」


ソウスケの二度目のバカにする言葉に周りの冒険者だけでなく、レイガとパーティーを組んでいる者まで大声で笑っていた。

だが、それと同時にレイガのパーティーメンバーの二人は自分がミレアナに声を掛けに行かなくて良かったと、心底思っていた。


ちなみにソウスケはお湯を魔力で生み出す事が出来るので、ノーコストで髪や頭に体を洗う事が出来る。


事実だが不名誉なあだ名を更新されたレイガは再び怒鳴り声を上げようとしたが、中に入って来た二人の男女の冒険者達によって塞がれた。


「お前たち、笑い声と怒鳴り声が一階まで聞こえていたぞ。なんだよ童貞ルーキーって。そんな面白い二つ名初めて聞いたぞ俺は」


男の試験官の言葉に昇格試験を受ける冒険者達は、思い出し笑いが止まらず大声は出さなかったがプルプル震えながら声を噛み殺していた。


そして自分にとって・・・・・・いや、男にとって最悪なあだ名を、冒険者にとっては誇らしい筈の二つ名を汚なく言われ、レイガの怒りは限界値を超えそうになっていた。


横でそんなレイガの顔を見ていたソウスケはこのままいけばワンチャン、漫画の様に頭から煙が出るのではと思った。


「ブライド、そんな汚い二つ名が事実であったとしても、ある訳ないでしょ」


一見レイガを庇ったように聞こえる言葉を女の試験官は言ったが、ナチュラルにレイガをディスっており、しっかりと言葉の矢がレイガに刺さっていた。

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