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七十話適材適所・・・・・・なのかもな

(・・・・・・おいおい、なんであんなマフィアかヤクザみたいな奴がいるんだ? しかもなんかこっち睨んできてるし)


柵越しにこちらを睨み付けてきている奴隷に、ソウスケは思わず後退りしてしまった。


「お爺ちゃん、随分と厳つい奴隷もいるんですね」


「あぁ、そいつらは戦闘奴隷の中でも犯罪奴隷じゃよ。山賊の頭や冒険者でギルドで色々やらかしてお尋ね者になった奴らがほとんどじゃよ」


犯罪奴隷と聞いて、ソウスケはそんな奴らは奴隷にするより処分した方が良いのではと思った。


「あの、そんな奴らを奴隷として買う人はいるんですか?」


「ああ、ちゃんとおるぞ。奴隷を客が買う時はその客と奴隷に契約を結んでもらい、奴隷には体の部分に奴隷紋を付ける。そうする事で奴隷は契約で結んだ内容通りにしか動けなくなる。じゃが、犯罪奴隷等を買うのは基本的に貴族だけじゃよ。戦争の時に失ってもそれ程痛くない手駒としてのう」


手駒と言う言葉を聞いたソウスケは、如何にも権力者らしい考えだなと感じた。そして貴族に対して少し嫌悪感を抱いた。


(まぁ・・・・・・理には適っているんだろうな。犯罪やルールを犯したとはいえ、鉱山に送られず店に残っていると言う事は、それなりに実力がある証拠。そして敵を多く倒して最後に命が尽きればその後の費用も要らず、結果万々歳という訳か)


自分で考えておいて酷い物だと思ったが、ソウスケは犯罪やルールを犯したという事は、その数だけ誰かが悲しい思いをして、しなくていい苦労をしたと考えれば相応しい末路かもしれないという考えに至った。


(ただ、中には自分の意志ではなく、そうしなければ自分の関係者に被害が出るかもしれないから、仕方なく罪を犯した。なんて人もいるのかもしれないな。けど実際そうだとしても、半分は足が付かないように計画を立てずにやった奴にも責任は・・・・・・別にないか。というか、こんな事は考えるだけ無駄だな)


考えを切り替えたソウスケは、気になった奴隷に関して片っ端からお爺ちゃんに聞き始めた。

その度にお爺ちゃんはソウスケに奴隷に特徴を丁寧に説明した。


とある国の上級騎士、元冒険者の人族、エルフ、狼、虎の獣人、鍛冶と戦闘の両方が出来るドワーフ。中には貴族までいた。


(上級騎士とかはギリセーフ・・・・・・だと思うけど、貴族は流石にヤバくはないか? それに貴族なんだから戦闘なんて・・・・・・いや、一般人と比べて高い教育が受けられるんだから寧ろ得意、なのかもしれないな)


お爺ちゃんがソウスケに奴隷が持っている特技、スキルまで説明したが買うか迷う奴隷がいても、買おうと即決するような奴隷はいなかった。


「ふむ・・・・・・迷ってはいるが、お主のお眼鏡に適う奴隷は今のところいない様じゃの」


「いや、そんなことは・・・・・・まぁ、そうですね。迷ってはいますけど、即決する奴隷はいませんね」


「そうか。じゃがここまで紹介してきた以上の実力者となるとのう・・・・・・いや、おるにはおるな。じゃがあいつは・・・・・・」


お爺ちゃんの渋るような言葉に、ソウスケは何か訳ありの奴隷だと直ぐに察した。


「どうしたんですか? もしかして四肢の一部が欠損していたり病気を持っているんですか?」


「いや、そう言う訳ではないじゃがな。というかそんな者はまず奴隷として買わん。・・・・・・お主、知り合いに凄腕の魔術師はいるか」


お爺ちゃんの質問にソウスケは誰がいたかと考え始めたが、直ぐに思い出した。


(凄腕の魔術師、か・・・・・・そんな人、この世界に来てまだそんなに時間が経っていない俺が合っているわけ・・・・・・いた。確かにいる。というか今日会ったばかりじゃないか!!)


ソウスケが思い出した人物はエルフの現役高ランク冒険者、ゼアストだった。

ソウスケ自身もある程度魔法は使えるが、総合的に考えるとゼアストの方が断然上だと判断した。


「いますね。今日会ったばかりの人ですけど」


「そうか・・・・・・お主が言う凄腕の魔術師なら、相当の実力者なのだろう。それなら大丈夫かもしれないの。付いてくるのじゃ。お主に合わせたい奴隷がおる」


そう言われたソウスケは、どんな人物なのかを聞かずに後ろを付いて行った。

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