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六十七話どこにあるのか?

ローブと魔法袋を買ったソウスケは店を出て、表通りには戻らずに裏路地を探索していた。


(なんかこう・・・・・・まさに社会の裏にいる感じだな。さて、奴隷を売っている店ってのはどこにあるんだろうな。どうせならゼアストさんに聞いておけば良かったな)


奴隷を売ってる店がどこにあるのか全く分からないまま、ソウスケは帰り道だけしっかりと覚えながら探索を続けた。


「んん~~~、中々見つからないもんだな・・・・・・あの爺さんに聞いてみるか」


店の前を箒で掃除しているお爺さんにソウスケは、どこに奴隷を売っている店があるのかを聞こうとした。


(年寄程いろいろ知っているからな)


ソウスケがお爺さんに聞こうとした理由はもの凄く単純な考えだった。


「あの~~、すみません。この辺りに奴隷を売っている店ってありますか」


「ん? ああ、知っているには知っているが、お主見たところ冒険者じゃろ。見た感じ強さもそこそこ。奴隷なんていなくてもソロでやっていけるんじゃないのか?」


「・・・・・・爺さん、見ただけでそんな事まで分かるのか? 俺の見た目はそこまで強くは見えないと思うんだけど」


ソウスケは自分で言っておいて悲しくなってきた。


(強くないどころか、どっちかというと弱そうだもんな。受付嬢の人にも討伐依頼を受ける時、結構心配されていたからな)


あと数年もすればある程度強そうに見られるのかと、ソウスケはかなり不安だった。


「伊達に年は取っていないということじゃ。別に鑑定系のスキルを持っているわけでは無いのじゃから、詳しい事までは分からん。さて、奴隷を売っている店があるかどうかだったな。まず、お主は何故奴隷を買いたい」


「えっと・・・・・・俺少し前にこの街に来たんですけど、それまでは山の中でお祖父ちゃんと一緒に暮らしていたんですよ。それでお祖父ちゃんが元冒険者だったらしくて、生きている時に山を下りて街に行くなら簡単に他人を信用するなって何回も言われていたんですよ。だから、一緒に行動する人は奴隷がいいかなって思ったんです。ソロだと野営の時にきついですから」


ソウスケは最後、前回冒険者達を助けた時に体験したオールでの見張りを思い出し、苦い表情になった。


(本当にあれはきつかったな。ずっと神経尖らせておかなきゃいけないからな。正直丸一晩の見張りは二度としたくないな)


ソウスケの考えを聞いたお爺ちゃんは、納得したのかフムフムと頷きながらソウスケの方を振り返った。


「お主、お金に余裕はあるのか」


「はい。少し前に結構な収入があったんでかなり余裕があります」


「そうか・・・・・・なら案内してやろう。とは言っても、直ぐ目の前じゃがの」


お爺ちゃんの言葉にソウスケは直ぐ目の前にある店を見た。

店の看板には奴隷専門店と書かれていた。


「・・・・・・お爺ちゃんが店長だったんですか」


「そうじゃよ。さぁ、とっとと中に入るぞ」


店の扉を開け中に入って行くお爺ちゃんに続き、ソウスケも店の中へ入った。

中の様子は豪華ではないが、部屋の隅々まで掃除が行き届いており、とても清潔な場所だった。

店の中の様子を見たソウスケはかなり驚いていた。


(結構綺麗にしてるんだな。裏路地にある店とは思えない綺麗さだな。そう言えばゼアストさんの店の中も中々綺麗にしてあったよな。裏路地にある店はどこも中はきっちり掃除しているって事なのか?)


店内の綺麗さにソウスケが驚いていると、お爺ちゃんはニヤッと笑いながら話した。


「どうじゃ、かなり綺麗になっておるじゃろ」


「・・・・・・そうですね。正直こんなに綺麗にしているとは思っていませんでした」


「ここが客が一番最初に目にする光景じゃからの。綺麗にされてある、匂いもあまりしない。こういった点が重要なんじゃよ。表の店はともかく、裏の店はこういった事が分かっておらん奴が多い」


お爺ちゃんの言葉にソウスケはなるほどと思い、店の奥へ向かっていくお爺ちゃんの後に付いて行った。

だが、途中でカウンターの向こうにいた店番をしている青年がお爺ちゃんへ・・・・・・というよりはソウスケへ苦言を申した。


「店長、そんな如何にも駆け出しの金を持ってい無さそうな冒険者を店の中に入れるなんて、とうとう盲目になってしまいましたか?」

 

青年の言葉に、ソウスケは普通にイラッとした。

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