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六十四話集めるのにどれだけ時間が掛かるんだ?

ソウスケは恐る恐るドアの取っ手に手をかけ、店の中へ入った。


「し、失礼しまーす」


店に入るのにかしこまる必要は無いのだが、看板に掛かれていた内容にビビっていたソウスケは、つい低姿勢のまま店内へと入った。


「・・・・・・す、すげぇ。か、鑑定を使わなくても上等な武器や防具、アイテムだって感じ取れる。というか、これだけのレアな武器やアイテムを揃えている事がガチで凄いな」


ソウスケは子供の様に目を輝かせながら飾られている品を見て回った。

そしてこれほどまでのレアなマジックアイテムの数々を集めた人物は、どれだけの強さを持っているのか疑問に思った。


そしてカウンターまで近づくと、エルフの男性が座って本を読んでいた。


「・・・・・・」


それを見たソウスケは、座って本を読んでいるエルフに気づかないまま声を出しながら驚いていた事が急に恥ずかしくなり、顔を赤くして立ち止まった。


エルフの男性はソウスケが自分の存在に気づいた事に気づき、本をパタンと閉じてソウスケの方を見た。


「ふむ、久しぶりの来客だな。どれどれ・・・・・・なるほど、まだ完成しておらず磨ける部分が多々ある。合格だ」


「えっと・・・・・・合格とはどういう意味ですか?」


ソウスケの強さを計っていたエルフは真剣な顔から、少し表情を和らげて答えた。


「外の看板の文字を見ただろう」


「は、はい。しっかりと見てから入りました」


「そうか、それは良い心構えだ。たまに看板の文字を見ずに入ってくるバカがいるからな。相応の実力があるならば気にしないが、そうやって入って来る客は実力が伴っていない者が殆どだからな。だが君はしっかりと看板に書かれてある文字を見てから入って来た。そして実力、そしてこれからの将来性もある。十分に合格だ。じっくり店の品を見て行ってくれ」


そういうと、エルフは閉じた本を開き読書を再開した。

ソウスケはエルフの男性に言われた通り、店の中に置かれている品々の物色を開始しようとすると、店に来た目的を思い出し、エルフの男性に質問をした。


「あ、あの。ろ、ローブが欲しんですけど何かお勧めの物はありますか?」


ソウスケに質問されたエルフは再度本を閉じ、ソウスケの方へ振り返った。


「ふむ・・・・・・もしかしたらとは思うが、君は冒険者になったばかりか?」


「はい。少し前に冒険者になったばかりです」


エルフはソウスケの言葉を聞いて、驚いた顔になったがどこか納得し表情もしていた。


「そうか、なるほどな。俺の予想は正しかったみたいだな。君からは強い力を感じるが、雰囲気はどこか成り立ての様に感じたからな。納得がいったよ」


ソウスケはエルフの言葉を、前にどこかで似た様な事を言われたなと思った。


「よし、そう言う事なら君のローブ選びを手伝おう。冒険者だから戦闘に耐えられる、何か効果の付いたローブが望みで合っている?」


「はい、出来れば効果付きのが欲しいです」


エルフは顎に手を当てて少し考えてから、ソウスケに質問した。


「予算はいくらほどあるんだ。それによって選べるローブも変わって来る」


「えっと、そうですね・・・・・・」


ダンジョンで倒したモンスターを換金した大金を思い出し、今後の金を使うであろう予定を考えてソウスケは答えた。


「金貨三百枚くらいまでなら大丈夫ですよ」


「!! ・・・・・・君はもしかして貴族の子息だったりするのか? いや、しかし君から貴族特有の雰囲気は感じない。・・・・・・この街に来る前にそこそこ大きな盗賊団でも倒したか?」


エルフのあながち間違ってなくもない答えを聞いて、ソウスケは表情に出さなかったが内心で笑っていた。


(ふ、ふふふっ。そ、そう来るか。貴族の子息と勘違いされるのは予想していたけど、規模の大きな盗賊団を倒したって思われるとは予測していなかったな。まぁ、倒して手に入れたのには変わりないかな)


ソウスケは内心の感情を表に出さないようにしながら答えた。


「い、いえ。大金はダンジョンの中で大量にモンスターを倒したから、そのモンスターをギルドで換金して手に入れました」


「なるほど・・・・・・」


答えを聞いたエルフは納得したが、直ぐにソウスケは頭の天辺から足先まで見た。

エルフの視線に何か自分に可笑しな所があるのかと思い、体や手足に何か付いてないかソウスケは確認した。


「ああ、君に変な所がある訳じゃない。ただ確認しただけさ。しかし、君は俺が思っていた以上に優秀な人間のようだな」


エルフの言葉に、ソウスケはあまり意味が理解できず頭の上にクエッションマークが浮かんだ。

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