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五十五話解けた疑問

ソウスケはガチガチに緊張している受付の女性の後ろに付いて行きながら、興味深そうに娼館内の装飾等を見ていた。


(娼館・・・・・・ていうよりは、まるで高級ホテルだよな。地球にいた時はまだ未成年だったから、風俗の中の様子とかは分からないけど、こんな豪華な装飾とか付いてない筈だぞ。シャンデリアまであるし。正直金の無駄使いな気がするな)


娼館内のまるで高級ホテルの様な装飾に対して、ソウスケは無駄に金を掛け過ぎではないかと考えたが、この娼館内にいる客の服装、雰囲気などを思い出し、考えを変えた。


(そういえばこの娼館に来ている客は、商人や貴族のような人が多かったな。それを考えると凝った装飾とかも無駄ではないのか。あんまりにも簡素な装飾だったら、文句を言いそうな権力者もいそうだからな。そういった人達にも使ってもらうための先行投資みたいなものか)


経営者も大変だなとソウスケが思っていると、受付の女性の足が止まりソウスケの方を向いた。


「こ、こちらが本日お、おおお客様のお相手をなさる娼婦が待機しているお部屋になります。ど、ぞうぞごゆっくりとお、おお楽しみくださいませ。そ、それでは」


受付の女性がソウスケへの説明を終えると、脱兎の如くその場から離れた。


「・・・・・・俺はあの人に何かしたか? いきなり俺に絡んできた男の店員には威圧したときに、もしかしたら殺気が少しだけ漏れていたもしれないけど、受付の女の人には何もしていない筈なんだけどな・・・・・・まぁ、いいや。取りあえず入ろう」


ソウスケは、扉は二回ノックして声を掛けてから中へ入った。


「失礼しまーーす、っと・・・・・・」


部屋の中へと入ったソウスケは、立ったまま待機をしていた女性の美しさに固まってしまった。

女性髪はロングストレートでアクアマリンの様な、透き通るような水色の髪色。

顔は日本ではドラマのヒロインを演じる様な清楚で美しく、それでいて娼婦の妖艶さが残る、なんとも男のムスコを刺激する顔をしている。

スタイルも言わずとも一等級。胸も下品なほどに大き過ぎず、丁度美乳と巨乳の間にあるような理想の胸を持っていた。


(・・・・・・とにかく凄いな。どこを見ても超一級だな。顔良し、スタイル良し、雰囲気良し。ザ、パーフェクトだな。文句の付け所が全くない。確かにSランクの娼婦に相応しそうな女の人だな)


「本日は私をご指名いただき有難う御座います。私の名前はセーラと言います。お客様のお名前は?」


「えっと・・・・・・そ、ソウスケって言います。きょ、今日はよろしくお願いします」


セーラの美しさに見惚れていたソウスケは、思わず敬語で答えてしまった。

そんなソウスケの反応をセーラは不思議に思い、ソウスケに質問した。


「ソウスケ様、一つ質問してもよろしいでしょうか」


「は、はい。大丈夫ですけど」


「有難う御座います。受付の女性にソウスケ様が貴族のご子息だと聞いていたのですが・・・・・・それは間違った情報だったりしますか?」


セーラの質問に、ソウスケはセーラが何故自分にそんな質問をしたのか全く理解出来なかったが、受付の女性の自分に対する対応の様子を思い出し、納得することが出来た。


(あ~~~~~、なるほどね。だからあんなにガチガチに緊張していてて、若干怯えた感じだったんだ。まぁ、そんな間違った情報を伝えた原因は、俺に突っかかって来た男の店員なんだろうけどさ。確かにまだ十五歳の子供が大金を持ってこんな所を利用しに来たら、貴族の子息がお忍びで来たと思われても可笑しくはないか)


そして自分が貴族の子息というなどという可笑しな誤報を、ソウスケは直ぐに肯定した。


「はい、自分が貴族の子息だと言うのは、全くもって誤報です。自分はただの一介の冒険者ですよ」


「そうですか。なら口調は砕けたものにさせて貰いますね」


「ええ、是非そうしてください」


セーラはソウスケの一介の冒険者と言う言葉に対して突っ込まなかったが、心の中で疑問に感じていた。


(まだ二十歳にもなっていない子供が金貨三枚と銀貨六十枚を持っている事自体があり得ないのだけど・・・・・・確かに貴族や商人の方の様な雰囲気は感じません。そして、確かに冒険者さん達の様な気配は感じますが、まだ成り立ての様に感じます。どう考えても、一介の冒険者さんの様には思えませんが・・・・・・悪い方ではなさそうですね)


セーラはソウスケの正体について考え込んだが、結局分からなかった。

だが、粗悪な人でないと感じ、ホッと一安心していた。


「それでは、これから三時間程ソウスケさんのお相手をさせていただきます。さぁ、こちらに座ってください」


「わ、分かりました。よ、よろしくお願いします」


これからセーラと性交し童貞を捨てるソウスケは、緊張し過ぎて体と心もガチガチだった。


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