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五十三話値段やルール

ソウスケがピンク色の妄想を膨らませていると、ぎこちない笑みを浮かべた店員がソウスケの所に戻って来た。


(下手くそな笑顔をするくらいなら、普段の顔で接客しろよ。もの凄く変だぞ)


ソウスケは心の中で、慣れていないのか下手な笑顔を作っている店員に対して、一言ツッコミたかったが人が多い今いる場所でそれを言うのは、流石に可哀想だと思い言葉には出さなかった。


「お、お待たせしました。こちらへどうぞ」


「ああ」


店員に受付まで案内されたソウスケは受付の女性の表情を見て、自分の事をどのように説明したのかもの凄く疑問に思った。


今ソウスケの目の前にいる女性の顔は、営業用の笑顔ではあるがどこか強張った笑顔であり、時間帯が夜という事もあって大して暑くない娼館の中だというのに、顔には男の店員同様に汗がびっしょりと噴出していた。


(・・・・・・もいいや、無視しよ。この店員がなんて言ったか知らないけど、気にしたら負けだ)


「そ、それでは、私はこれで失礼します」


それだけ告げると男の店員は、逃げる様にその場から去って行った。

普通の速度ではなかったので、ソウスケはまさか身体強化のスキルを使ったのかと、普通はあり得ない事を考えた。


そして男の店員が女の受付にソウスケの間違った情報を伝えた事と、この場から離脱した速度のせいで、女の受付とソウスケの間に気まずい雰囲気が漂っていた。

二人共話を切り出すタイミングが分からないでいた。


(はぁ~~~~、なんでこんな気まずい雰囲気になったんだ? やっぱりあの男のせいか? もしそうなら一発殴っておけば良かったな。いや、それよりこの気まずい雰囲気をどうにかしないとな・・・・・・いや、俺が躊躇う必要は無いか。俺は客としてここに来たんだしな)


自分が遠慮する必要は無いと思い、ソウスケは話を切り出した。


「この娼館での料金や時間ルールについて知りたいんだけど」


「か、かかかかしこまりました!!」


受付の女はソウスケに話しかけられビクッと肩を震わせた後、ワタワタしながらマニュアルが載っているプレートを出した。


「こ、こちらが当店での使用金額、ルールです。ま、まずお客様が相手にされる娼婦についてDからSまでのランクがございます。Dランクが銀貨五枚。Cランクが銀貨二十枚。Bランクが銀貨五十枚。Aランクが銀貨七十枚。Sランクが金貨一枚となっています。この値段は一応の基準なので、選ばれた娼婦によって多少の変動があります」


「娼婦にもランクがあるのか・・・・・・」


娼婦にも冒険者同様にランクがあることを知り、ソウスケは娼婦も競争の世界にいて大変そうだなと思った。


(というか、マジで金額がバカ高いな。まだ時間の事とか聞いてないけど、日本円でDランクが五万円。Cランクが二十万円。Bランクが五十万円。Aランクが七十万円。Sランクが百万円。日本だったらぼったくりもいいところだ。ただ、この世界の冒険者や商人の稼ぎからしたらこれぐらいの値段が妥当なのかもな。いや、冒険者や商人だって大金を得るためにはそれ相応の準備が必要なはずだ。そう考えると・・・・・・やっぱりぼったくりな気がするな)


ソウスケにとってはぼったくりに感じるが、この娼館を利用している客は貴族やそこそこ有名な商人が多く、娼館に来ている冒険者達も基本的にはDランクか、Cランクの娼婦しか抱かないのでソウスケ程ぼったくりと感じてはいない。


「そ、そしてこの金額は二時間以内を想定した金額になります。二時間以内でご使用する場合でも料金は変わりません。そ、それから延長時間を一時間増やすと、二時間の料金と同じ値段が掛かります。当店のルールとしては過激な行為は禁止しています。も、もし娼婦を傷つけた場合は直ぐに拘束させてもらい衛兵に引き渡します」


娼婦を傷つけた場合、直ぐに逮捕されるという事に対しソウスケはかなり徹底しているなと思い、感心していた。


(バカな客に対しての対応はしっかりと考えているみたいだけど、それが権力を持っている商人や貴族にも該当するのは怪しく感じるけどな)


日本で生活している時にテレビで見た、アホな政治家たちを思い出しながらこの世界の理不尽な力にソウスケは嫌悪を感じたが、今はさして問題ではないので頭の中から切り捨てた。


「内容は分かった。この店で一番良い女を三時間で頼む」


そう言うと、ソウスケはポケットから金貨四枚を取り出し、カウンターに置いた。

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