五百五話 学べる都市
学園に向かって出発してから五日後……ようやく学園がある街へと辿り着いた。
「……えっ、デカくない?」
「そう、ですね……確かに大きいですね」
ソウスケが驚いてしまうのは当然として、いつもは冷静なミレアナも都市を覆う壁に驚いていた。
「もしかしてだが、結界が張られているのか?」
「はい、噂ではありますが……この学習都市、エレディアは王都よりも防衛機能が充実しているのではと言われています」
「王都よりも……それは凄いな。というか、学習としてって名前からして三人が通う学園以外にも学園が多くあるって事だよな」
エレディアの面積はある程度の規模の学園が十以上あっても余裕でスペースが余っている。
ソウスケの考えている通り、学園はリアス達が通っている学園以外にもあり……三人が通っている規模の学園は他にも五つほどある。
「私達が通っている学園は主に貴族の子息や令嬢が通う学園ですが、他にも商人専門の学園や鍛冶師、裁縫職人、錬金術師専門の学園があります。他にも多数の塾が存在します」
「塾、か……それはあれか、学校の授業だけでは学び足りない生徒達がお金を払って技術を学んでいるって事か」
「そういう事です。塾の規模は学園と同じで幅が広いですが、中には小さな学園よりも圧倒的に大きい塾もあります」
リアスの説明を聞いたソウスケはポカーンと口を開けて固まってしまう。
(防衛機能どころか、学ぶ環境としては国一番の都市ということか……いや、本当に凄いな)
子供が学ぶ環境を考えると、王都ではなくエレディアの学園に入学させようと思う親も多い。
なにより、平民であっても学べる環境が整っているところが人気が高い所以だ。
「学習都市という割には……並んでいる冒険者の数が多いですね」
「エレディアは三つのダンジョンを管理していますから」
「三つ……嘘だろ」
巨大すぎる都市の大きさよりも驚く事実にソウスケはもう言葉が出なくなってしまった。
確かにダンジョンを複数管理している都市が無い訳ではないが……それでもかなり珍しい部類に入る。
(ダンジョンを三つも管理する都市……そりゃ多くの人が集まる訳だ)
三つのダンジョン全てが深い階層を持ってはいない。
初心者用、中級者用、上級者用と上手い具合に別れていた。
「私達が所属する学園や他の戦闘に関して学ぶ機会がある学園ではダンジョン内での功績が成績に反映されます」
「なるほど……でも、学生だけでダンジョンに潜るってのは色々と危なくないか?」
三つのダンジョンは規模が大きい学園が管理している訳ではなく、エレディアの冒険者ギルドが管理しているので学生だけが挑んでいる訳ではなく、一般的な冒険者達も参加している。
それ故に起こる問題というのも存在する。
「そうですね、今でもその辺りの権利に関して貴族の子息や令嬢達が学園側に抗議することもあるのですが……」
「上はしょうもない理由で冒険者ギルドと揉めたくないって訳か」
「そういうことです。ただ、信用出来る冒険者を雇って一緒に潜れば何も問題はありません」
お金に余裕がある者達は冒険者ギルドに依頼を出し、実績のある冒険者達と一緒にダンジョンに潜って加点される実績を手に入れようとする。
それだと冒険者に過剰に手伝わせて嘘の実績を作るのではと思われるが、化けの皮は簡単に剥がれる。
どれだけ金を積もうが、本当の強さは手に入らない。
実績を教師に報告する際にどうやって戦ったのかを報告しなければならない。
そんな事を正確に覚えていられないと言う生徒もいるが、記憶障害にでもならなければ大体の事は覚えているものだ。
それに……学園によっては生徒の発言が嘘か誠かを調べるマジックアイテムを持っている。
なので、金を積んだところで自身のキャリアになることは無い。
貴族の権力等で潰されるほどこの都市は弱くない、という事だ。




