四百八十五話 隠れるのは上手かった
「ッ、ソウスケさん!!!」
「おうッ!!!!」
ミレアナの声に反応し、何かが接近してきている事はソウスケも解っていたので迎撃としてウォーターランスを放った。
「ギャウッ!!??」
ウォーターランスは見事に襲撃者に命中し、迎撃に成功。
ただ、襲ってきたモンスターは一体だけでは無かった。
「こいつは……フレイムウルフか」
「その様ですね。そして群れを纏めているのがフレイムウルフリーダーです」
「統率者がいるのか。それはちょっと面倒だな」
群れに統率者がいる事によって、群れに所属しているモンスターの身体能力等が上昇する。
群れの数は十以上はいるので、少々面倒だと感じる三人。
「攻撃の相性は問題無いが……先に頭を倒してしまうか」
「私がやりましょうか?」
「いや、俺が斬る。だから二人は周りのフレイムウルフを頼む」
フレイムウルフ単体ではCランクの扱いだが、群れを成すことでBランク認定されるほど厄介になる。
その特徴として、単体でも火のブレスを放つ事が出来る。
ただ、それを複数の個体が集まって行うことで威力の高い火のブレスがに強化される。
「向こうも殺る気満々みたいだし、さっさと始めるか」
始めに奇襲を仕掛けた一体のフレイムウルフが瞬殺されたことで少々委縮していたが、戦意は衰えていない。
「迅雷」
ソウスケは身体強化のスキルと雷の強化魔法を使用し、一気フレイムウルフリーダーとの距離を縮めた。
(随分と気配の消し方は上手かったが、別に亜種とか希少種って訳じゃなさそうだな)
Cランクの中でもスピードよりのモンスターだが、身体強化を行ったソウスケの速さに殆ど反応出来ていない。
「よっと!」
群れを飛び越えフレイムウルフリーダーに近づき、横から水の刃を放つ。
その攻撃に対し、火のブレス対抗しようと考えて顔を動かす。
ただ、時既に遅く……ブレスを放つ前に水の刃は目前に迫っており、そのままズバッと頭を斬られてしまった。
「……うん。まぁ、そうだよな」
ミレアナに声を掛けられるまでソウスケも確証を持てるほど、フレイムウルフ達の存在に気が付いていなかった。
なのでもしかしたら普通のフレイムウルフ達とは違うのかと思っていたが……予想は見事に外れ、一撃で倒すという結果に終わった。
「そっちも殆ど終わりそうだな」
解ってはいた事だが、フレイムウルフリーダーが持つ統率スキルのお陰でフレイムウルフ達の身体能力が向上していようと、ミレアナとザハークが手こずる理由にはならない。
ソウスケがフレイムウルフリーダーを倒し終えた時には残り数匹程度まで減っていた。
「よっ、と」
残っているフレイムウルフ目掛けて通常より細いウォーターランスをぶん投げ、戦闘は終了した。
「隠れるのは上手かったが、戦闘に関してはそこまでって感じだったな」
「そうですね。ただ、それでもCランクなのである程度本気でやらないと直ぐには終わりませんでしたが」
「それもそうだな」
身体強化と迅雷を使わなければ、あそこまであっさりフレイムウルフリーダーを殺すことは出来なかった。
それはソウスケも理解している。
だが、魔力を使用したのは一瞬であり、今日の活動に何の支障も無い。
「首の骨を全て折ったが、そんな殺し方で良かったか?」
「あぁ、問題無い。良い殺し方だ」
獣系のモンスターの牙は鍛冶に使える素材が多いので、ソウスケとしてはなるべく欲しい素材。
「さて……とりあえず、こいつらはリアス達が探してた珍しいモンスターでは無いよな」
「そ、そうですね。特徴が一致しませんか、単に私達を獲物と見定めて襲いに来たのかと」
「だろうな。こっちしては使えそうな素材が向こうから来たからラッキーって感じだけどな」
例え群れで来ようが、単体がCランク程度であれば焦ることなく倒せる。
ただ、それはソウスケ達三人の認識であり、リアス達の常識としてはもっと多くの人数で討伐するのが一般的な規模だった。
(解ってはいました。実際に戦いも観ました。ですが、こうも授業で習った常識を覆されると、少々頭が痛くなってきますね)
アイテムボックスにフレイムウルフの死体を入れ、再び火山付近に生息する珍しいモンスターを探し始める。




