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転移したらダンジョンの下層だった  作者: Gai


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四百一話 予想の遥か上

「はぁーーーーー・・・・・・あんたら、マジで面倒だな」


自分達の価値観を押し付けようとする男に対し、こういった事態ではなるべく自分から動かないようにしているソウスケにイライラが募り始めた。


「君が真っ当な方法で成長しようとしてない、それは良く無いと指摘しているだけだ」


「あくまで自分達は悪く無いと、呆れた奴だな。クランってのはそこそこ位の高い貴族の次男や三男の子守りを頼まれたらそれを引き受けるらしいけど、それって今の俺と何か違うのか?」


「ッ!!! それは……」


大手のクランにそういった依頼が来ることはあり、そこまで珍しいケースでは無い。

貴族は自身の子供を安全な状態で強くすることが出来、クラン側もその貴族から支援を受けられるのでお互いにウィンウィンな関係と言えるだろう。


轟炎の鉄槌もそういった依頼を受けた事が何度かあるので、男は直ぐに言い返すことが出来なかった。


「別にミレアナもザハークも今の生活に不満は無い。お前が今の俺らの状態に不満があったとしても、俺らがそれに従う必要は一切無い。というか、お前の価値観を俺に押し付けるな」


自分の価値観を他人に押し付けるな。

その言葉に野次馬達の雰囲気はソウスケの味方へと変わっていく。


「そりゃ確かにそうだな。ランクが上だからってあーしろこーしろと言われても別に従う必要は無いからな」


「行き過ぎた正義感って奴か? 冒険者らしくないな」


「もしかして、あれじゃね? 単純にミレアナさんみたいな美女とパーティーを組んでるから坊主に嫉妬してるんじゃないか?」


確かにミレアナは女性の冒険者の中でも容姿がトップレベルで高い。

ミレアナに自分と一緒に依頼や冒険に行かないかと誘う冒険者達はミレアナの強さに興味は持っているが、それ以上にその美しさとスタイルに惹かれている。


ただ、そんな思いが一切無かった・・・・・・といえば嘘になるが、それでも殆どそのような気持ちが無かった四人からすれば自分達の考えを侮辱されたようなもの。


表情が一気に憤怒に変わったが、そのような四人の感情は今のソウスケに全く関係無い。


「お前ら、もうある程度動けるだろ。だったら俺と戦え。四対一で十分だ」


力によっての解決。

それは一番手っ取り早い方法であり、冒険者の中でも特に多い解決方法だ。


しかし今回の解決方法は変則的で四対一。そして一人で四人を相手にするのはEランクのルーキー。


ソウスケの実力的にEランクより上だと認識している四人だったが、明らかに自分達を下に見ている挑発に相手がまだ冒険者になって一年も経っていない事を思い出し、冷静さを失う。


ミレアナとザハークとの戦いでスタミナは少々失ったが、既に怪我は治っている。


「俺が勝てばマジで関わらないでくれ。んじゃ、用意……ドン!」


四人が自分に向けて怒気を放っているという事を確認し、戦いが承諾されたと判断したソウスケは手を叩く。

それが戦いの合図となり、ソウスケはその場から駆け出す。


用意という言葉から少しの間があり、四人は慌てることなく戦いの構えを取った。

しかし四人の視界から地を蹴る音だけを残してソウスケの姿は完全に消えていた。


「ほらよ」


四人の視界から消えたソウスケは背後に回っており、まずは一人を蹴りで地面に叩きつける。

Eランクの冒険者が突然自分達の目の前から消えて、自分達の背後を取っていた。

それは四人にとって全く考えていなかった行動。


自分達の予想を遥かに超えた動きをするソウスケに一瞬の戸惑いが生まれた。


その隙を逃す程ソウスケは甘くは無く、腹パンに掌底と蹴りを腹に叩き込み、四人とも地面に膝を着いた。


「はっはっは、備えあれば患いなしって奴だな」


その言葉の意味を知っている物はいないが、何となく解る者がいた。

しかしそれを卑怯だと思う者はいない。


ただ、Cランクの冒険者がEランクの冒険者に瞬殺されたという結果だけが残った。

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