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三十三話また心配された

「お前さん・・・・・・アイテムボックスのスキルを持ってるのかい?」


「えっと・・・・・・はい、そうです」


ソウスケは今更誤魔化せるわけないと判断し、正直に言った。


「こりゃーーーたまげたね。正確な性能までは分からないけど、おそらく高性能なアイテムボックスのスキルだね」


(なんでこの人、そんな事まで分かるんだ!!?? 使うところ見せたのも、一瞬だけなんだぞ。中の時間が停止している、って分かる物を出した訳じゃないんだけど・・・・・・なんで分かったんだ? 年の功が成せるものなのか?)


ソウスケの頭の中は、何故お婆さんが自分のアイテムボックスの性能を、高性能だと見抜いたのかと言う事でいっぱいだった。


「お前さん、確かまだ冒険者になったばっかりだったね」


「はい、そうですけど・・・・・・」


ソウスケがまだ、冒険者になって直ぐだと言う事を確認したお婆さんは、真剣な目をソウスケに向けながら話した。


「お前さんは・・・・・・私の目が狂ってなけりゃ、新人にしてはあり得ないほどの力を持っている筈じゃ」


(だがらなんでそんなこと分かるんですか!!! 俺と同じで鑑定のスキルでも持ってるんですか!?)


お婆さんの的確な言葉に、ソウスケは声には出さなかったが、心の中でツッコんだ。


「でも、お前さんには全く後ろ盾がないはず。アイテムボックスのスキルを持っていると言う事は、持っている事だけで、貴族や商人から狙われるものなんじゃよ。だから、一人で行動するとき以外は基本的に、アイテムボックスのスキルを使わない方がよい。情報はどこから漏れるのか分かったものじゃない。十分に気を付けることだね」


「はい。受付嬢の人にも口酸っぱく言われました」


「そうかい・・・・・・その受付嬢は当りみたいだね」


お婆さんの言葉にソウスケは疑問を感じた。


(受付嬢に当たり、ハズレってあるのか? 確かに容姿的には完全に当たりだとは思うけど・・・・・・いや、多分そう言う事じゃないよな。お婆さんにセーレさんのことは話していなんだし・・・・・・まさかとは思うけど、冒険者から受付嬢に賄賂とかあるのか!? なくは、なさそうだよな。寧ろあって当然とは言わないけど、そう言う考えを持っている人はいるんだろうな。まぁ、いろんな事含めてセーレさんは当りだろうな)


頭の中にメガネ美人で、スタイルも整っているセーレの姿を思い浮かべたソウスケは、鼻の下が伸びていた。


「は~~~~~、当たりって事はそう言う事じゃないよ。まぁ、取りあえずお金は貰ったから、とっととアイテムボックスの中に入れちまいな」


「は、はい。すみません」


いそいそと、ソウスケはアイテムボックスの中に、ポーションを入れるビンと、ケースを入れた。


「それと、ダンジョンに入る機会があったら、アイテムバッグを探しな。お金に余裕があるなら買っても良い。あって損はないからね」


「分かりました!! いろいろ助言、有難うございます」


本気で感謝の気持ちを込め、ソウスケはお婆さんに頭を下げた。


「そんな大げさに感謝することはないよ。私はお前さんに少し、興味があったから助言しただけじゃ。気にする事は無い。ほれ、まだ若いんじゃから、予定はたくさんあるんじゃろ」


「はい。それじゃ、失礼しました」


ソウスケは元気よく、ドアを開けて外に出て行った。

そんなソウスケの後姿を見ていたお婆さんは、難しい顔をしていた。


「本当に、私の目が狂っていなきゃ、何年かかるかは分からないけど大物になるのは、間違いないじゃろ。でも・・・・・・何かしら問題を起こしそうなきがするのぅ。世間知らず、とはまた違う気がするが・・・・・・まぁ、何にせよ。あの少年は近いうちに名が売れるじゃろ」


ソウスケのこれからを、かなり心配しているが、期待の気持ちの方がお婆さんの中では大きかった。

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