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三十一話いかにもな婆さん

「でかい看板が二つ・・・・・・てことは、ここを右に曲がればいいんだな」


串焼きやのおっちゃんの言う通りに進み、薬屋を目指した。


「なんか・・・・・・表の通りから離れると結構静かだな。・・・・・・いきなり襲われたりしないよな」


ソウスケはきょろきょろしながら、周りを見ていた。

ソウスケが歩いている道は表通りと違い、民家が主になっていた。

中には勿論店もあるが、訳ありそうなのところが多い。


「まぁ、こういう感じも緊張感があってなんか良いけどな。てか、やっぱりあれだな。力を手に入れたら考えが変わるって本当みたいだな」


ソウスケは今の自分の周囲の様子をとらえる感覚が、違うことに気が付いた。


(地球にいた頃の俺だったらこういった、危なそうな道は理由が無かったら絶対に通ってなかったからな。でも、悪い方向に変わったわけじゃないはずだ。浮かれてはいるけどな)


ソウスケはぶっちゃけ、いきなり誰かに襲い掛かられても撃退できる自信があった。

実質ソウスケの力は、この世界でもそこそこ強いものになっていた。

蛇腹剣を使えば、少しの時間ではあるがソウスケに勝てる者はかなり絞られる。

それに加え、ソウスケの戦い方は基本的にオールラウンダーなので、隙といえる隙があまりない。


「チート級の武器もあるし、そうそう負けることはないだろう。使いこなせている訳じゃないけど~~~っと、それらしい店が見えてきたな」


ソウスケの前にさほど大きくはない、一階建ての店が見えた。


「多分だけど売ってるだろう。金もあるし。取りあえず中に入るか」


ソウスケは扉をノックし、中に入った。


「失礼しまーーす。って、誰もいないな」


会計をするであろう場所に、誰も居らずソウスケは首を傾げた。


「留守・・・・・・では、無さそうだな。奥で何かやってるみたいだな。調合でもしてんのかな?」


気配感知のスキルでカウンターの奥に人がいるのは分かっていたので、ソウスケはとりあえず待つことにした。

ぐるりと店の中を見渡せばたくさんのポーションが置いてあり、鑑定のスキルを持っているソウスケはそれの殆どが他の店で売っている物より上等な物なのではないかと。直観的に思った。


(錬金術で造るのってポーションとかしか知らなかったけど、色々とあるんだな)


商品が並んである中には、アクセサリー型のマジックアイテムもあり、ソウスケはますます錬金術に興味を持った。そして、ソウスケが目を輝かせながら商品を見ていると、奥からそれなりに歳のいったお婆さんが現れた。


「すまんね、錬金の最中だったもんで手が離せなかったんだよ。さて、いらっしゃい。私の店に何の用かね」


ザ・錬金術師の様な雰囲気を持つお婆さんに、ソウスケは見惚れて・・・・・・はいないが、感動を受けていた。そして、目的が頭の中から少しの間抜けていた。


「え、えっと。ポーションを入れるビンが欲しいんですけど・・・・・・いくらしますか。あっお金は結構あるんで安心してください」


ソウスケの言葉を予想してなかった婆さんは、目を大きく見開き固まった。

婆さんはソウスケが、ポーションの類を買いに来たとばかり思っていた。


「・・・・・・お主、冒険者であろう。力はあるが妙に雰囲気とちぐはぐしていて、少し可笑しいが冒険者なのには変わりないはずじゃろ。いやだからこそ可笑しくないのかもしれんな・・・・・・しっかりと聞いておこう。お主は錬金術のスキルを持っているんじゃな」


「は、はい。その・・・・・・確かにそんな風には見えないかもしれないですけど、一応錬金術のスキルを持っています」


錬金術のスキル持っているのかと、婆さんに聞かれたソウスケは、なんとなく目を逸らしてはダメだと思い、自分を真っ直ぐ見てくる婆さんの目から逃げないようにした。


そして、ソウスケが錬金術のスキルを持っていると、長年の勘で確信した婆さんはソウスケに少し待っているように言うと、一旦奥に戻った。

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